Kelly Slater at Lowers

世界中のサーファーが参戦するWSL(World Surf League)が運営する「WCT(World Championship Tour)」と「WQS(World Qualifying Series)」。いずれも、「World」を省略して、「CT」や「QS」と呼ばれたりもします。

これら2つは、ショートボード部門のプロサーフィンツアーなのですが、サーファー以外の方には、馴染みのない方がほとんどではないでしょうか。そこで今回は、オリンピック絡みでサーフィンに興味を持つ方もいるかと思うので、プロサーフィンツアーについて説明したいと思います。最低限の仕組みが分からないと、面白くないですからね。


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・WCT

コンテストに参加するサーファーの中で、世界最高峰の舞台であるワールドツアーこそが「WCT」。2015年シーズンにおいて、メンズでは全11戦、ウイメンズでは全10戦のツアーイベントが、世界各地の波の良いエリアで開催されます。

各イベントでは、コンテスト結果に応じてポイントが与えられ、合計ポイント(全コンテスト結果の中で、最も結果が悪かったワースト2のポイントは除外)が最も高いサーファーが、ワールドチャンピオンに輝きます。

WCTに参加できるサーファーは、メンズが世界のトップ34(前年のWCTランクのトップ22+WQSランクのトップ10+WSL選出枠2名)、ウイメンズが世界のトップ17(前年のWCTランクのトップ10+WQSランクのトップ6+WSL選出枠1名)という狭き門。

ワールドツアーイベントでは、WCTサーファーに加え、ワイルドカード(特別枠)出場がメンズで2名、ウイメンズで1名が出場。ワイルドカードは、イベントスポンサーの推薦サーファーであったり、ローカルによるトライアルイベントを勝ち上がったサーファーであったりとイベント毎に異なります。

また、怪我によりイベントを欠場するWCTサーファーがいる場合、WSLが、前年のWCTランクやWQSランクを加味し、リプレイスメントサーファーを選出します。その結果、各イベントでは、メンズは36名、ウイメンズは18名のサーファーが出場して開催されます。

・WQS

WCTの二次リーグとも呼ばれるWQS。コンテストサーフィンの最高峰であるWCT入りの資格を得るには、WQSに参戦し、年間ランキングでメンズはトップ10、ウイメンズはトップ6に入らなければなりません。

ただし、メンズを例に挙げると、一人のWCTサーファーが、WCTトップ22に入り、WQSトップ10にも入った場合、重複してツアー入りの資格を得るので、その場合は、WQSランク11位のサーファーが繰り上げでWCT入りの資格を得ることになります。

年間ランキングの算定は、各サーファーが出場したWQSイベントの結果に応じて与えられるポイントの中で、トップ5のポイントを合算したトータルポイントとなります。

ただし、WQSイベントと一口に言っても、イベント毎にグレードが異なります。メンズの最高グレードはQS10,000イベントで最低グレードはQS1,000イベント、ウイメンズの最高はQS6,000で最低はQS1,000。

QS後の数字が、優勝者の獲得ポイントとなります。つまり、イベントのグレードにより獲得ポイントは大きく異なるので、グレードの高いイベントでは、必然的にレベルの高いサーファーが集まります。

ちなみに、WCTサーファーもまた、最高グレードのWQSイベントに出場義務があり、メンズは2回(一つは居住国開催のイベント)、ウイメンズは1回(居住国開催のイベント)となります。特例として、WCTに10年以上在籍しているメンズサーファーの出場義務は1回のみ。

・まとめ

実際には細かい規定が諸々あるのですが、おおまかに説明すると上述の通りとなります。こうしてみると、ワールドツアー(WCT)サーファーとなり、さらに、WCTワールドチャンピオンに輝くことがいかに難しいのかが分かります。

そんなシステムにおいて、現役ツアーサーファーで言えば、11×ワールドチャンプのケリー・スレーター、6×ワールドチャンプのステファニー・ギルモアの実績は桁外れだと言えますね。

現在のWCTとWQSのランキングをチェックするには、下記公式サイトのリンク先からチェックして見て下さい。

WSL「Men's WCTランキング

WSL「Women's WCTランキング

WSL「Men's WQSランキング

WSL「Women's WQSランキング