photo:WSL / SCREENGRAB
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昨年2015年、南アフリカのJベイで開催されたWCTイベント決勝の最中にミック・ファニングがシャークアタックに遭遇したり、日本では真夏の海水浴シーズンに各地でサメが目撃されたりと、「サメ=海外の海」のような他人事とは思えなくなったシャークアタック。

Jベイ(南アフリカ)のWSLサーフイベント決勝でシャークアタック発生:ミック・ファニング

ツアーノートbyハーレー:ミックへのシャークアタック後の反応@南アフリカ

今回の記事は、ISAF(The International Shark Attack File)から昨年2015年に世界中で発生したシャークアタック件数に関するサマリーが発表されたので、その内容をお届けします。


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シャークアタックの種類

一口にシャークアタックと言っても、正確に言えばシャークアタックは2種類に区分されると言います。そこで、まずは両者の違いから説明します。

Unprovoked attacks

こちらは、人間がサメに対して何らかのアクションを事前に取ることなく、サメが餌を捕獲するといった自然の習性により、人間を襲ったケースとなります。

一般的に言われるシャークアタックはこちらに該当します。波待ちしている時にいきなり襲われたりなど、サーファーがサメの存在にすら気付かない場合が多いですね。

Provoked attacks

こちらは、人間がサメに直接接触した場合に発生したケースとなります。例えば、サメに触れたダイバーが襲われたり、漁網に引っ掛かったサメを網から取り外した時に襲われたといった場合です。

つまり、サメが自己防衛として人間を襲ったケースですね。

2015年のシャークアタック発生件数

上記二種類を合わせたシャークアタックは、2015年に164件発生しています。その中で、一般的にシャークアタックと言われる「Unprovoked attacks」のケースに限ると発生件数は98件。

そのうち、死に至ったケースは6件。レユニオン島で2件、そしてハワイ、オーストラリア、ニューカレドニア、エジプトで各1件という内訳となります。

シャークアタックが過去最多件数となった2015年

98件という件数は、2000年に記録した88件という件数を優に超える過去最多件数。ただし、2000年には死者数が11名だったので、死者の割合に関しては2015年の方が低いという統計が出ています。

数字上は発生件数が増える事となった2015年ですが、同サマリーでは発生件数の割合は減少しているとのこと。その理由は、人口が増加し、海で遊ぶ人が増えている事を考慮にいれると、発生確立自体は低くなっているとの見解によるためです。

シャークアタック発生エリアの内訳

98件中、最も発生件数が多かったのが59件のアメリカ。アメリカの中でも、フロリダが30件とずば抜けています。続いては、ノースカロライナとサウスカロライナが8件、ハワイが7件、カリフォルニアとテキサスが2件、ニューヨークとミシシッピが1件。

以前にお届けしたフロリダでの下記リンク先サーフィン動画において、ドローンがサメの魚影を捉えた映像を見ると納得ですね。

日本に似たブレイクを見せるフロリダでのフリーサーフ:エリック・ガイゼルマン

アメリカ以外では、オーストラリアが18件、南アフリカが8件と続いています。

まとめ

今回のサマリーを見ると、発生件数自体はシャークアタックのインパクトに比べると少ない事が分かります。ただ、あくまでもシャークアタックだと確認できたケースのデータなのです。

個人的な見解としては、データ収集できないような後進国の僻地などでも発生している可能性は十分にあり、全体的な実数はもっと多いのではないかと思いました。

参照記事:「ISAF 2015 Worldwide Shark Attack Summary