blank
Photo: WSL / ED SLOANE

今季からワールドツアーのヘッドジャッジが代わり、まだ初戦を終えたばかりですがコールされるスコアが変わった印象を受けるCT。

これまでに批判のあったジャッジ基準(クライテリア)が改善されたとの声もあります。

今回の記事は、サーフコーチであるシェーン・ベッシェンや現役CTサーファーの見解をお届けします。


スポンサーリンク


2015年にASP体制からWSL体制に移行後、CTイベントのジャッジについて変わった印象を持ちました。その最たる例は、以前よりも圧倒的にパーフェクト10が少なくなった点。

それから3年を経た今年2018年、ツアー初戦を見ているとヘッドジャッジの変更に伴い採点基準が厳しくなったせいか、ハイスコアのコールが少なくなりました。

この点についてシェーン・ベッシェンはスタブ誌のインタビューにて「新しいジャッジ基準は正当な方向に向かっていて、よりハードに攻めたサーフィンを評価するようになった。これまで7~8ポイント台だったスコアが、5~6ポイント台の評価になった印象を受けるよ」とコメント。

「よりハードに攻める」という点において、これまでに何度となく取り沙汰されていたのはバックサイドで同じスナップ(波のトップでテールを蹴り込むマニューバで、日本語では「リップ」や「リッピング」)を繰り返すライディングへ付けられていたハイスコア。

「難易度の観点から言えば、バックサイドのスナップはかなり簡単で、プロならワイプアウトのリスクがほぼ無しで誰でも繰り返しできる。フロントサイドでしっかりレールを入れたカーヴィングよりも簡単じゃないかな」とのこと。

バックサイドスナップの反復がシビアにジャッジされるようになった一方、マニューバ系で評価が高かったのはフィリペ・トレドによるブローテールとグラブレールリバースを入れたライディングでの9.67で、シェーンとしても納得のジャッジとのこと。

現役CTサーファーの意見としては、クイックプロで唯一パーフェクト10をマークしたグリフィン・コラピントがサーフライン誌でジャッジについて以下のように触れています。

「今回のジャッジは相当厳しかったけど、凄い良い事だと思った。本当に素晴らしいパフォーマンスのために大きな余白を残してくれたんだから」。

余白を残す必要のない(これ以上のライディングはない)との判断でパーフェクト10となったグリフィンのライディング

グリフィンが言及した「余白」とは、サーフィンのスコアは特定のマニューバ(技)をメイクすれば何点といった採点ではなく、すでにスコアがコールされたライディングと比較しての採点となります。

そのため、比較対象となるライディングの点数が高すぎると、それを遥かに上回るライディングをしても大きな点差を付けられなくなることを意味しています。

さて、明らかにジャッジ基準が変わったという事で、CTレベルのトップサーファーはベルズビーチでのイベントからは確実に調整してくることでしょう。

リスキーなマニューバを取り入れてくるということは、ギャラリーにとってはエキサイティングなサーフィンを意味するので、楽しみにしたいところです。

2018年CTに関する過去記事