正規WCTサーファーとは異なり、WCTサーファーが怪我や引退などといった理由から空いた枠を埋めるためのリプレイスメント出場サーファー。基本的には、引退を除くと一時的にWCTイベント出場となるスポット参戦。
しかし、今シーズンは長期欠場サーファーやツアー途中での引退などがあり、リプレイスメント出場ながらも、来シーズンにWCT入り出来るだけのWCTポイントを獲得する可能性のあるサーファーがいます。
今回の記事は、すこし複雑になってきた現在のメンズWCTの状況を踏まえながら、リプレイスメント出場サーファーの今後の状況を説明していきたいと思います。
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さほど出番がないはずのリプレイスメント出場サーファーがWCTイベントに出場し続ける背景
リプレイスメント出場サーファーの中で、セバスチャン”シーバス”ジーツが現WCTランク2位、スチュアート・ケネディが現WCTランク12位と、一時的に出場するだけの非正規WCTサーファーが活躍している今シーズン。
本来であればこのような状況はあり得ません。と言うのも、怪我で一時的にワールドツアーを離脱するサーファーはごく限られているので。
しかし、今シーズンはタジ・バロウのシーズン途中の引退、ミック・ファニングのスポット参戦、オーウェン・ライトとビード・ダービッジの長期欠場と異例の事態が重なりました。
タジ・バロウがフィジーイベントを最後にワールドツアー引退を発表
ミック・ファニングが2016年WCTイベントはフル参戦しないと発表
オーウェン・ライト&ビード・ダービッジが2016年WCT初戦欠場を発表
そんな状況であるため、WSLが現状を整理整頓する意味で記事をアップしていたので、その内容を踏まえながら、どうなっていくのか説明します。
タジ・バロウ引退で空くスポットは!?
一番分かりやすいのは、引退するタジのスポット。次戦のブラジルイベントは欠場し、フィジーイベントを最後にワールドツアー引退を発表しました。
しかし、「若手サーファーにチャンスを譲りたい」と引退宣言したにも関わらず、WCTサーファーとしてフィジーイベントに出場するならば、リプレイスメント出場の枠に影響を及ぼします。
そこで便宜上、タジはマーガレットリバーでのイベントでWCTサーファーを引退。フィジーイベントはワイルドカード出場となりました。タジの引退で空いた枠はアダム・メリングが獲得し、今後すべてのWCTイベント出場が決定。つまり、リプレイスメントではなくなったというわけです。
アダムは、昨シーズンのWCTランクで1ランク差でツアー残留を逃したリプレイスメントの第一候補でした。妥当な決断ですね。
スチュアート・ケネディとシーバスの今後のWCTイベント出場は?
アダムがリプレイスメントではなくなり、現在のリプレイスメント第一候補は昨年のWQSで1ランク差でツアー入りのチャンスを逃したスチュアート、第二候補はシーバスとのこと。
上記二名については、今後のブラジル、フィジー、Jベイ(南アフリカ)での3戦の出場は確定。その理由は、オーウェンがすでにJベイまでの欠場を発表しているので1枠の空きは確定。
シーバスについては、ビードがブラジルとフィジーのイベント欠場を発表していて、仮にビードがJベイで復帰した場合、これまでのシーバスのコンテスト結果を評価したWSLは、Jベイではシーバスにワイルドカード枠を与えるためです。
オーウェンとビードの復帰時期は?
オアフ島ノースショアのパイプラインで脳への損傷を受けたオーウェンに関しては、すでにお伝えしたよう、深刻な状況の模様。
SNSで本人が語った心境から察する想像以上に深刻なオーウェン・ライトの現状
パイプラインで骨盤骨折となったビードは、すでに松葉杖生活を脱却し、海でボディサーフィンを楽しめるようになったそうですが、まだサーフィン復帰には至ってないそうです。
つまり、この二名の復帰については、全くの未知数と言えます。
まとめ
リプレイスメント出場サーファーは、あくまでもWCTサーファーの空いた枠を埋めるために出場するサーファー。しかし、出場したWCTイベントで好成績を残し、トップ22入りすれば、現役WCTサーファー同様に来シーズンのワールドツアーの座を獲得となります。
出来るだけ怪我で欠場したサーファーに復帰してもらいたいと思いながらも、現在のシーバスのよう、ワールドタイトルの可能性もあるサーファーには出場させた方が面白くなると思う複雑な現状。
WSLもこの点を考慮した上で、ワイルドカード枠を使い分けていくと思いますので、今後の展開からも目が離せません。