サーフィンのワールドツアーを運営するWSL(ワールドサーフリーグ)。そのWSLでCEOを務めるポール・スピーカーが1月末をもってCEOを辞任すると発表。ただし、共同オーナーとしての任務は継続するとのこと。
現時点において次期CEOは決まっていないため、ポール同様にWSLの共同オーナーであるダーク・ジフが、次期CEO決定までの期間は暫定的にCEOの職を務めるそうです。
今回の記事は、ポール・スピーカーがCEOになってからの組織としての移り変わり、ポール本人が発表したメッセージなどに関する内容をお届けします。
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過去5年ほどに渡り、WSLのCEOを務めてきたポール。ポールの在任中はかなりの変化がありました。一番の変化はASP(Association of Surfing Professionals)からWSLへの名称変更。
サーフィンワールドツアーを運営するASPがWSLへと名称変更
ワールドツアーサーファーにとってプラスとなったのは賞金の増額。男女の獲得賞金の平均額の格差も解消されました。
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その他、主要な点で言えば、コンテストのライブ配信といったデジタル戦略によるサーフファン増加、BWT(ビッグウェイブツアー)やビッグウェイブアワード、そしてケリー・スレーターによるウェイブプールの買収など。
直近で言えば、ISA(国際サーフィン連盟)と手を組み、2020年東京五輪でサーフィンが初めてオリンピック競技となったのは最大のニュースでしょう。
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凄まじいまでの勢いで変革をもたらし続け、スポーツとしてさらなる飛躍を遂げるであろうタイミングでのポールのCEO辞任。理由については、以下のように語っています。
「我々が作り上げてきたものを新たな局面に導くベストタイミングで、誰かにバトンを託そうと常々考えていたんだ。今こそがそのタイミング。ケリー・スレーター・ウェイブ・カンパニーを買収して、大きな変革期に差し掛かったのだから」。
ポールにとって、ケリーのウェイブプールの完成ならびに買収こそが、CEOとしての集大成だったようで、ウェイブプールの可能性についてさらに続けています。
「サーフィンの今後がこの上なく楽しみなんだ。ケリーのウェイブプールによって、世界中どこでもハイパフォーマンスサーフィン可能となるのは過去に例がないことなんだから」。
「波のコンディションは保証されていて、出場サーファーの条件は完全に平等。決められた時間に開催可能になることで主要テレビ局での放送が可能となり、視聴者の数は大幅に増加するだろうし」。
WSLのやり方には、これまで様々な賛否両論がありました。例えば、WCTサーファーやBWTサーファー(フル参戦資格を得たサーファーのみ)は、WSL以外の団体によるコンテストには、基本的に出場禁止など。
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しかし、オリンピック出場を夢見ていたサーファーにとっては、WSLの功績を大きいと考えるので、人や立場によって判断はそれぞれでしょう。
果たして新体制となる今後、「サーフィンをメジャースポーツに!」と目指していたポールの思いはどこまで繋がって行くのか注目です。