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via Chris Christenson's instagram

新型コロナウイルスの影響から日本のみならず、世界的に不足が続いているマスク。

特に深刻なのが患者の処置に当たっている病院の医師や看護師で、使用済みのマスクを再利用したりと感染リスクを抱えた命懸けの対応に追われています。

そんな状況に救いの手を差し伸べることになったのが、シェイパーのクリス・クリステンセン。

今回の記事は、クリス・クリステンセンによるマスクにまつわるストーリーとサーフボード工場へのメッセージといった内容をお届けします。


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外出禁止措置により仕事ができないことから、先週木曜、自身のサーフボード工場で働く全15名のスタッフを解雇したクリス。

理由としては、クリスが解雇にすることで、スタッフが失業手当など何らかの補償を得られたらと願ってのことだったとか。

苦渋の判断を下した同日、オレンジカウンティ郡のミッション病院で働く友人で麻酔科医であるダン・ハンコック医師から連絡が。

会話を進める内に病院の様子に話が及び、クリスが「マスクは足りているの?必要なら山ほどあるから回せるよ」と聞くと「マスクが必要」とダン医師は返答。

麻酔科医は患者に気管内チューブを挿入する時に粘液といった気道分泌物にさらされるので、感染リスクが特に高いとのこと。

そのため、必要となるマスクは一般用ではなく、ダン医師が求めていたのは医療レベルで使用されているN95マスクで、サーフボード工場で使用されているのもN95。

サーフボード工場では、シェイピングによりそれだけ有害物質が発生しているためですね。

ダン医師との電話を終えたクリスは、工場に必要な道具を供給してもらっているオーシャンサイドのサーフサプライにメールし、自分の工場用に確保している全てのマスクをダン医師のもとへ届けてもらうよう事情を説明して依頼。

メールを受信したサーフサプライのライアン・パターソンはクリスからのメールを読み、ミッション病院の医師たちが5日以上も再利用したマスクを使用している事実を知り男気を見せることに。

一刻も早くマスクを届けるべきと感じたライアンは、自らハンドルを握り、ダン医師の自宅へと一部を届け、残りはミッション病院の救急処置室のスタッフへと配送。

その後、サーフサプライはサーフボード工場から今なおマスクの供給を求められるものの、在庫の大半を病院へと寄贈しているとのこと。

「僕らの分のマスクは不足するけど、病院に寄贈した方がベターだって決めたんだ。そっちの方がプライオリティは全然大きいんだから」とライアンはコメント。

一方のクリスは、ライアンへのメール依頼後、自身の工場へ足を伸ばし、残っているマスクの大半を病院へ提供。

手元に残したマスクの量では、工場を再開したらせいぜい2~4週間程度使ったら底を付くと言います。それでも提供したのには、クリスの考えがあってのこと。

僕らのビジネスは絶対に必要というものではない。それに、個人的な意見として今は仕事ができる状況じゃないんだ。

だからこそ、他のサーフボード工場にも病院へマスクを提供してもらいたいって思ってる。

僕らは自宅隔離でマスクを使う必要もないけど、患者と直に触れる最前線では必要としているんだから、互いにケアしなきゃならないでしょ。

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参照記事「Chris Christenson and Surf Supply Donate More Than 200 N95 Masks to Healthcare Workers