昨年、2020年開催の東京五輪において、サーフィンが追加種目候補としてIOC(国際オリンピック委員会)に提案されることになったのは記憶に新しいニュースですね。
実際にサーフインがオリンピック競技として認められるのかどうかは、今年の夏に開催されるリオ五輪開催前に行われるIOC総会に委ねられています。
今回の記事は、オリンピック競技としてのサーフィンについて、現役WCTサーファーのジュリアン・ウィルソン「Julian Wilson」(27歳)が地元紙「Sunshine Coast Daily」にて自身の見解を述べているので、内容についてお届けします。
スポンサーリンク
これまで、サーフィンがオリンピック競技となり得る可能性がありながらも、WCTサーファーがオリンピック関係についてメディアで言及することは、ほとんどありませんでした。
唯一、ケリー・スレーターが昔から、オリンピック競技になるならウェイブプールが不可欠と口にしていたくらいではないでしょうか。
ジュリアンによると「オリンピック競技としてのサーフィンの可能性について、ツアーサーファーの間で話題になることはほとんどないね。だって、まだ話題になるほどの段階じゃないんだから」とのこと。
とても現実的です。あまり話題にならないと言うことは、ジュリアンを含めたツアーサーファーは、サーフィンがオリンピック競技になる可能性が低いと考えているのかもしれません。
と言うのも、日本では各地でサーフィンのオリンピック開催地として招致活動を行っている通り、追加種目として採用されるなら海での開催が濃厚。その理由は、東京五輪組織委員会が海での開催が望ましいとIOCに推奨したためです。
ただ、海での開催となると問題は山積み。ベストコンディションに合わせた従来の開催となれば、前もって観戦チケットの販売はできないし、今後のオリンピック開催地で海がなければ、開催自体が不可能。
実際にジュリアンも「海での開催はハードルが高すぎると思う。ウェイブプールがベストで、クオリティの高いウェイブプールを確保できるなら、オリンピック競技として実現可能だと思う」と言います。
また、「サーフィンって個人スポーツだけど、オリンピックではチームスポーツみたいな形での開催にするのも面白いだろうね」と、従来とは異なるフォーマット、つまりワールドツアーとは別物にするのもアリとの見解を示しています。
ただ、ジュリアンがウェイブプールを引き合いに出したのは意外でした。なぜなら、現時点における世界最高と言われるケリー・スレーターのウェイブプール公開後、スタブ誌がケリーのウェイブプールでWCTイベント開催の可能性について、ジュリアンに問いかけています。
その際のジュリアンは「ノー。波にパワーがなさそうだから。それに、セット間隔が分からないし」と返答。結構ジュリアンは厳しいですね。ジョーディ・スミス、ライアン・カリナン、ジョシュ・カーも同様の質問を受け、3人の答えはイエスでした。
個人的には、ある程度のサイズの波があるなら、海で開催されるのがベストだと思います。ただ、7月後半~8月前半のオリンピック開催時期を考えると、日本ならばオンショア膝波で開催される可能性が高い気がします。
となれば、せっかくオリンピック開催となっても、ダイナミックなライディングとは程遠いイベントとなってしまいます。そういった点を考慮すれば、クオリティの高いウェイブプールでモダンサーフィンが展開されるなら、そちらの方が見応えがあるのではないでしょうか。
しかし、今後のオリンピック開催地全てでウェイブプールを建設するのも現実的ではありませんが・・・。何はともあれ、まずは追加種目として承認されるのかどうかですね。果たして、IOCはどのような答えを出すのかに注目です。
東京五輪におけるサーフィンに関する過去記事は、下記リンクからチェックして下さい。