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真ん中:ミシェル・ボウレズ 右:五十嵐カノア Photo:WSL

現地時間12月19日(ハワイ)、オアフ島のパイプラインを舞台にしたWCTメンズ最終戦「ビラボン・パイプ・マスターズ(Billabong Pipe Masters)」が終了。

予定通りに本日が最終日となったパイプマスターズの優勝はミシェル・ボウレズ。しかし、準優勝の五十嵐カノアが主役と言っていいほどのドラマを引き起こしました。

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・レポート

ラウンド3ヒート12からスタートした本日。昨日よりもディープなロングバレルが目立ち、サイズは小振りながらも、エキサイティングなライディングは見応え充分でした。

前述した通り、本日の主役となった五十嵐カノア。と言うのも、カノアにはダブルクオリファイというミッションが課せられていたためです。ダブルクオリファイとは、WCTトップ22及びWQSトップ10入りの両方を達成すること。

カノアはすでにWQSトップ10入りしているので来季ツアー残留は確定しているものの、WCTトップ22入りも果たせば大きな自信になるはず。また、トップ22入りすれば、WQSランク11位に位置する親友でありチームメイトでもあるイズキール”ジーク”ラウの来季ツアー入りを叶えることができるため。

ただし、今季ツアーイベントにおける最高位が9位のカノアに求められた結果は3位以上と、相当ハードルが高かったです。そんな状況の中、求められていた以上の結果となる準優勝を果たすことに。

喜びを分かち合う五十嵐カノアとジーク Photo: Channel Islands

個人的に考えるカノアの準優勝までのハイライトは2つ。まずは、このヒートを勝ち上がればジークのツアー入りが決まるというジョーディ・スミスとのクオーターファイナル。

ヒート中盤まで波に乗らず、じっくりと良い波を待ったカノア。ようやく波を掴んだものの、誰もがディープ過ぎてメイクできないだろうと思ったバックドアバレルをメイクしたのです。

コメンテーターに「鳥肌が立った」と言わしめたライディングは、パーフェクト10が予想されたものの、10ポイントを付けたジャッジは3名(全5名)で9.93でした。

*五十嵐カノアの9.93@クオーターファイナル
https://youtu.be/WOzahaD8Sw8

もう一つのハイライトは、ケリーと対戦したセミファイナル。ケリーにリードを許しながら、逆転に必要な8.33を出せる波を優先権(プライオリティ)をキープして待ち続けたカノア。

そしてヒート残り時間1分を切ったところでビッグセットが入り、完璧なライディングでカノアが叩き出したスコアは8.83。ケリーを破る大逆転劇は鳥肌ものでした。

*五十嵐カノアの8.83@セミファイナル

ファイナルまでは劇的な見せ場を作り続けたカノア。しかし、ミシェルと対戦したファイナルはセットが入らず…。乗れる波自体がほとんどない展開となり、ミシェルが僅差で優勝の悔しい結果となりました。

*パイプマスターズFinalのダイジェスト動画
https://youtu.be/U2Ik3hTkpjU

カノアの活躍があまりに嬉しくて、話題の中心がカノアとなってしまいました。そこで、ここからは本日のハイスコア特集。ラウンド5でフィリペ・トレドが叩き出した今季パイプマスターズ初となるパーフェクト10に始まり、ハイスコアが続出しました。

*コロヘ・アンディーノの9.93@ラウンド4

*フィリペ・トレドのパーフェクト10@ラウンド5

*ミシェル・ボウレズの9.57@ラウンド5

*ジョーディ・スミスの9.43@ラウンド5

さて、パイプマスターズの結果に連動するトリプルクラウンの総合結果ですが、ジョンジョン・フローレンスが3度目のトリプルクラウンチャンピオンに輝くことに。

本日のジョンジョンはクオーターファイナル進出でトリプルクラウンのランキングトップに躍り出たものの、クオーターで敗退。この時点で、ジョーディとケリーにもトリプルクラウン制覇のチャンスが訪れました。

しかし、カノアが二人を撃破したことで、ジョンジョンのトリプルクラウン制覇をサポートする形となることに。まさに、カノアが今イベントのキーパーソンでしたね。

結果的として、ジョンジョンはエディイベント、ワールドタイトル、トリプルクラウンの完全制覇を果たし、今シーズンの幕を閉じる事となりました。

*本日の結果
・ファイナル
1st: Michel Bourez (PYF) 7.53

2nd: Kanoa Igarashi (USA) 6.17

・セミファイナル
Heat 1: Michel Bourez (PYF) 15.37, Kolohe Andino (USA) 13.93

Heat 2: Kanoa Igarashi (USA) 15.50, Kelly Slater (USA) 15.00

・クオーターファイナル
Heat 1: Kolohe Andino (USA) 14.87, Jeremy Flores (FRA) 12.67

Heat 2: Michel Bourez (PYF) 17.20, John John Florence (HAW) 14.00

Heat 3: Kelly Slater (USA) 11.50, Josh Kerr (AUS) 10.24

Heat 4: Kanoa Igarashi (USA) 18.03, Jordy Smith (ZAF) 15.74

・ラウンド5
Heat 1: Jeremy Flores (FRA) 15.17, Joel Parkinson (AUS) 4.53

Heat 2: Michel Bourez (PYF) 16.80, Filipe Toledo (BRA) 15.50

Heat 3: Kelly Slater (USA) 14.34, Ryan Callinan (AUS) 10.17

Heat 4: Jordy Smith (ZAF) 18.10, Nat Young (USA) 16.17

・ラウンド4
Heat 1: Kolohe Andino (USA) 13.66, Jeremy Flores (FRA) 10.16, Filipe Toledo (BRA) 5.00

Heat 2: John John Florence (HAW) 11.00, Michel Bourez (PYF) 9.17, Joel Parkinson (AUS) 8.83

Heat 3: Josh Kerr (AUS) 9.24, Ryan Callinan (AUS) 2.77, Nat Young (USA) 1.57

Heat 4: Kanoa Igarashi (USA) 12.00, Jordy Smith (ZAF) 11.34, Kelly Slater (USA) 2.24

・ラウンド3
Heat 12: Jordy Smith (ZAF) 15.34, Alex Ribeiro (BRA) 1.93

*本日のハイライト動画
https://youtu.be/YYRKGNZW1Ng

*イベント詳細については、下記リンク先の公式サイトからチェックして下さい。

Vansの公式サイト「Billabong Pipe Masters

WSLの公式サイト「Billabong Pipe Masters