Photo: Pepe Romo

インドネシアのロンボク島にあるレフトのロングバレルで有名なサーフスポット「デザートポイント」。

シーズン中のデザートポイントでは驚かされるほどのバレル映像などが撮影され、まさにパーフェクトウェイブのイメージが強いのですが、究極のリスクが牙を剥きました。

今回の記事は、6月半ばにデザートポイントで命を落としそうになったオージーサーファーを救った3名のブラジリアンのストーリーをお届けします。


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事故が発生したのは6月16日午後二時頃の満潮辺りの時間帯で、犠牲者となったのはアンダーグランドなオージービッグウェイブサーファーのネイザン・バートレット。

ブラジリアンフォトグラファーのカコ・ロペスは、当時の状況を以下のように振り返っています。

あの日のラインナップでベストサーファーだったのがネイザン。何本もバレルをメイクしていたからね。僕も撮影を切り上げてサーフィンしに海に入った時に、ネイザンが良さそうなセットに乗ろうとしてたんだ。

ただ、かなりレイトなポジションでドロップをメイクできなかった。僕はかなり離れた場所にいて、ネイザンがワイプアウトした辺りに二本ほど波が通り過ぎた後、ボードだけが海面に浮上しているのが見えたんだ。

すると、ボディボーダーのレナン・ファリアスが全力パドルでボードに向かっている様子から異変に気付いて、僕もそっちに急いで向かった。ネイザンのもとに最初に着いたのはレナンで、それから僕とウスマン。

三人でまずはネイザンを砂浜に連れて行こうとしたけど、カレントが強烈過ぎて無理で、フォトグラファーを乗せた釣り船が見えたから、そっちにパドルアウトを始めたんだ。

ネイザンの様子は、顔が青ざめていて脈拍がなく、肺には水がたっぷり溜まってた。このまま釣り船まで向かっても手遅れになると思ったから、レナンがネイザンを海面に浮上させながら泳いでくれて、僕が心臓マッサージをすることにしたんだ。

僕は片手でパドルしながら、片手で心臓マッサージ。船まで5分間休みなしでね。ネイザンの口からは多量の水が吐き出されて、周辺は血まみれだったよ。

Photo: Pepe Romo

船に乗せる頃には多くのサーファーが救助に来てくれていて、みんなでネイザンを船に乗せ、その後も僕はマッサージを続けると、ようやくネイザンが自分で呼吸したから、後は祈るだけだった。

陸地に戻ってワルンでネイザンを横にすると、ネイザンはついに意識を取り戻して、僕の存在に気付くと手を強く握りしめて、そばにいてくれって懇願された。

その後、ネイザンの兄弟や仲間も駆け付けてきて、デザートポイントから最も近い町の病院で消毒したり切り傷を縫ったりして、二日後にはちゃんとした検査を受けるためにバリ島に向かったんだ。

ネイザンは順調に快方に向かっていて、カットした傷口は深くて目に近い場所だったけど、幸いにして目に問題はなし。また、脳への損傷もなく、肺も徐々に回復してきている。

鼻を骨折していて、その手術はオーストラリアに帰国後に行って、今は奥さんと二人の子供(生後二か月と二歳)と自宅で過ごしてるって。

via Kako Lopes's instagram

最後に、ネイザンを救うことになったカコは、今回の事故から以下のような訴えをサーファーに行っています。

サーファーなら誰しも、無呼吸トレーニングやレスキューコースは必須じゃないかな。自分の身にはまさかって思いがちだけど、サーフィンは非常に危険なスポーツで、リスクは思っている以上に身近なんだから。

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参照記事:「BRAZILIANS SAVE AUSSIE SURFERS LIFE AT DESERT POINT

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