
今年のリオプロでは、イベントワイルドカードとして初めてCT(チャンピオンシップツアー)イベントに出場したブラジルのガブリエル・クラウスナー「Gabriel Klaussner」(20歳)。
その若手期待の星と言えるガブリエルが、先日出場したブラジル国内イベントでのヒート中に、生命の危機に直面する事態に陥ることに。
今回の記事は、ガブリエル・クラウスナーのアクシデント、そして対戦相手であるサーファーたちの救助劇と言った感動のストーリーのニュースをお届けします。
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ガブリエル・クラウスナーが出場していたイベント「Tunel Crew Shootout」について
おそらくイベント名を見れば、サーファーであればどういったイベントなのか想像が付く方も多いと思います。
「Tunel」は英語では「Tunnel」となり、シュートアウトについてはバックドアシュートアウトが馴染み深いでしょう。
つまりは、ビッグバレルイベントと言うわけです。
基本的にバレルスポットは水深が浅いことがバレルを形成するマスト条件であり、さらに波はパワフルなリスキーなサーフスポットであり、だからこそ発生した今回のアクシデント。
ガブリエルを襲ったアクシデントの全容
事故は、ブラジルのイタコアチアラのヘビースラブへのチャージで発生しました。
ガブリエルが波にチャージしてワイプアウトした際、頭の側面をフェイスに激しく打ち付け、鼓膜が破れたと見られています。
この衝撃によりガブリエルは平衡感覚を失い、「どっちが海面なのか海底なのかが分からなくなった」と後に語っています。
何とか海面に浮上したものの、意識が朦朧として溺れかけているクラウスナーの異変に真っ先に気付いたのは、同じヒートで競い合っていたライバル選手たち。
ガブリエルを助けようとヒート中にもかかわらず対戦相手がレスキューへ
最も早く救助に駆け付けたのが、ヒートでリードしていたウェズリー・ダンタス。
ウェズリーはヒートの事を忘れたかのように、一目散に完全に水中に沈む寸前のガブリエルの元へ急行。
ガブリエルを抱きかかえて海面に出し、意識を失いかけるクラウスナーの体をしっかりと支え続けました。
さらに、他のイベント出場者やライフガードも加わり、連携プレーでガブリエルを無事に岸へ運びました。
大会主催者は「サーファーたちの迅速かつ献身的なサポートに感謝する。人命の安全が最優先だ」と声明を発表。
ライバルを救うために競技を中断したサーファーたちの英雄的行為は、サーフィン界全体に深い感動を与えたと言えるでしょう。
まとめ
ブラジリアンサーファーと言うと、情熱過ぎるがゆえに喜びも悔しさもひっくるめて感情を露わにする機会がCTサーファーを見ていても目立ちます。
それだけ勝利にこだわるからこそ、感情が爆発しやすいのでしょう。
なのですが、ヒート中にも関わらずレスキューに向かったとのニュースは非常にハートウォーミングな話題と言えます。
また、ガブリエルも無事であったことが何よりです。
最後になりますが、同イベントを制したのはチャンボこと、ルーカス・チアンカだったそうです。