増加するシャークアタック対策としてサメの殺処分に揺れる豪NSW州北部

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オーストラリアQLD(クイーンズランド)州の州都ブリスベンから、南へ230キロの距離に位置するNSW(ニューサウスウェールズ)州バリナ。覚えている方もいると思いますが、今年2月、日本人サーファーがシャークアタックの犠牲になったエリアです。

日本人サーファーが被害者となったオーストラリアNSW州でのシャークアタック

そのバリナから、およそ40キロ北に位置するバイロンベイまでのエリアでは、今年は例年以上にシャークアタックが発生したり、サメの目撃談が寄せられたりと、海は危険な状況となっています。

今回の記事は、何らかの対策を講じるべくと、8月10日の月曜日、ローカルサーファー、地元警察、バリナの行政長官(市長のような役割)が、バリナとバイロンベイの中間に位置するレノックスヘッドに集まって行われたミーティングの内容をお伝えします。


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実はこのミーティング、開催されたのには理由があります。例年以上に多数のシャークアタックがNSW州北部で発生しているとあり、同エリアでは、2週間ほど前から定期的にヘリコプターを飛ばし、空からサメが出没していないかチェックしていたのです。

しかし、その対策は功を奏すこともなく、その2週間で7件のシャークアタックが発生。シャークアタックに加え、ボルダースビーチでは、サーファーからわずか20メートルほど離れた距離でサメが泳いでいる様子を、5回も目撃していたのです。

そこで、この異常事態を打破すべく、ミーティングでは200名近くのローカル(ほぼサーファー)が集まり、サメの捕殺を提案しました。捕殺で思い出すのは、WA(ウエスタンオーストラリア)州ではないでしょうか。

過去数年、シャークアタックに悩まされていたWA州政府は、住民を安心させるために殺処分を提案しましたが、住民からの反対に押し切られ、捕殺は中止となりました。

しかし、今回は住民から提案された捕殺。ただ、住民からの提案は、一定期間のみの限定的な捕殺です。その提案に対し、バリナの行政長官は反対の意思を示し、10月に開催されるシャーク・サミットで活路が開く可能性があるので結論は先延ばしにしてほしいとのこと。

住民としては、「安心して子供を海で遊ばせることができない」や「ローカルのサーフボード業界では全くオーダーが入らない」など、安全面や経済面と様々な打撃を受けての提案でした。また、サーフツーリズムにも影響を及ぼすことになるのは、容易に想像できますね。

海であれば、どこで発生してもおかしくないシャークアタック。実際、これまで最も危険と言われていたWA州ですが、現時点における今年の発生件数は1件。一方、NSW州では、すでに11件も発生しています。ちなみに、死に至ったケースは、日本人サーファーが犠牲となったケースのみ。

専門家によると、エサとなる魚が増えたり、海水温が上昇したエリアではサメが集まりやすいとも言われていますが、実態については判明していないので、困り果てているのが現実です。

果たして、NSW州北部では、どのような対策を打つことになるのか非常に気になります。行政長官は、切羽詰まった住民が、勝手に捕殺を進めてしまわないか怖いと口にしているので、何もしないという選択肢は存在しないので。また、以前に紹介した下記リンク先のシャークアタック予防対策の進展も気になるところです。

沖合にサメが現れたら情報を伝達する「クレバー・ブイ」

2015年7月にブロークンヘッドで上空からサメを撮影した映像

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