2013/2014シーズンに突如としてビッグウェイブサーフシーンに登場して注目を集めたのが、ロサンゼルス出身のニック・ヴォーン(22歳)。プロのビッグウェイブサーファーとして初シーズンであったにもかかわらず、メディアの関心を寄せたのには、ビッグウェイブでのパフォーマンス以外にも興味深い理由がありました。
10代の頃から、ビッグウェイブサーフィンに傾倒していたニック。しかし、歳を重ねる内に、将来に対する現実的なビジョンを思い描くと、ビジネスの世界で成功することを目標に掲げるようになりました。サーフィンが、まだまだメジャースポーツではないという事も関連していたのかもしれません。
サンディエゴ州立大学でビジネスファイナンスを学び、2013年5月の卒業後には、内定を受けていた大手金融機関のモルガン・スタンレー社で投資アナリストの席が用意されていました。就職も間近に控え、慌ただしい社会人生活がスタートする前の最後のサーフトリップと思い飛んだのがメキシコのプエルト・エスコンディード。実に、数ヶ月振りのサーフィンだったそうです。
すると、波はフェイスで30フィートほどの炸裂状態。何とか数本の波をキャッチしてストークしたニックですが、自分のライディングよりも、現地に居合わせたビッグウェイブサーファーのグレッグ・ロングのライディングに感銘を受けたと言います。
そこでニックは考えました。自分にとって最も情熱を注ぐことのできるビッグウェイブサーフィンを追求していかない人生を選んだとしたら、将来的に後悔することは間違いなのではないかと。すると、ニックは就業まで一ヶ月ほどとなった時期に内定を辞退し、自分の気持に真っ直ぐな道を選択。
目標が定まってからは、お酒を飲みに行くすら止め、ハードなトレーニング生活を送りながら、食生活を制限する日々。全てをビッグウェイブサーフィンに捧げようと決意したためです。
今回の動画は、そんなニックにとってプロとして初シーズンとなった2013/2014シーズンのサーフ映像となります。現在では、ラスティやニクソンと数多くのスポンサーが付いているニック。やはり、ビッグチャンスを棒に振ってでも、自分の信念を貫く人間には底知れぬ強さがあるため、これだけのスポンサーが、ニックのポテンシャルに賭けたのかと思います。
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