長年のメインスポンサーであったクイックシルバー(Quiksilver)を離れ、先月、ようやく自身のアパレルブランド「Outerknown(アウターノウン)」をスタートさせたサーフィン界のレジェンドこと、11×ワールドチャンピオンのケリー・スレーター「Kelly Slater」(43歳)。
来たる8月14日からはチョープー(タヒチ)でのワールドツアーイベントが控えているにも関わらず、日本での「Outerknown」ローンチパーティーを行うため、来日したことで話題となっています。週末には、鎌倉でケリーがフリーサーフしてたとSNSは騒然としていましたね。
ケリー本人は、日本に到着後のインスタグラムにて、「日本でウンチ」、「世界最高のトイレ」、「ヤバッ」などのハッシュタグを付け、下記の写真をアップしていました(笑)。
今回の動画は、そんな話題のケリーが、Jベイ(南アフリカ)でフリーサーフする映像となります。Jベイと言えば、ファイナルでシャークアタックが発生。にも関わらず、ケリーはシャークアタックが発生したサーフスポットで、シャークアタック発生後にフリーサーフした映像なのです。
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今回の動画が撮影されたのは7月31日とのこと。Jベイでのツアーイベントファイナル(決勝戦)にて、ミック・ファニングがシャークアタックを受けたのは7月19日、かなり日数が経っていますよね。
通常、ツアーサーファーは敗退したらすぐに帰国してしまいます。しかし、これだけ長い期間、ケリーが南アフリカに滞在したのは、Jベイの波が好きなので、滞在期間を延長したとのこと。
ただ、気になるのはシャークアタックが発生したという点。普通なら、しばらくJベイに入りたくないと思うのではないでしょうか。そこで、シャークアタックについて少し考えてみます。
日本のメディアでも、ミックのシャークアタックに関してはかなり報道されましたし、SNSでも大いに盛り上がっていました。そこで疑問に思ったのは大きな誤解があるという点です。そこで、2点ピックアップして考察してみます。
まず、海外のサーファーは、シャークアタックに慣れているとの意見。特に、オーストラリアでシャークアタックは日常茶飯事との意見もありましたが、下記リンク先のデータを見ると、そんなことはありません。
世界で発生した過去のシャークアタック件数&安全を確保するための対策
インパクトが強すぎるので話題になりますが、過去10年の統計を見ると、オーストラリアでのシャークアタック発生件数の年間平均は14件弱で、死に至ったケースであれば、年間平均で1.5人です。この数字を提示することで、安全だと言うわけではありませんが、可能性としてはかなり低いことが分かります。
実際、ミックとファイナルで対戦し、ミックの救出に向かったジュリアン・ウィルソン(AUS出身)は、後のインタビューにおいて、海水が薄暗い早朝や日没付近以外の時間帯でシャークアタックがあるなんて信じられないとコメント。
オーストラリア出身のサーファーでも、それくらいの認識なのです。ちなみに、早朝と日没付近が危険な理由として、海に入っているサーファーの数が少ないため、鮫に襲われる可能性が高くなると話す人も多いです。
もう一点は、人を襲うサメは冷たい海域には出没しないという話。Jベイで開催されたツアーイベント地は、今回の映像を見ても分かる通り、ケリーがグローブを付けてサーフするほど海水は冷たく、日本人よりも寒さに強いと言われる欧米サーファーでさえ、フルスーツ(長袖長ズボンタイプ)を着用するほどです。
つまり、先日、茨城でサメが目撃され、この冷たい海域でと話題となっていますが、どこにでもサメは出没するという事です。ただし、これまでに人を襲った鮫となれば、かなり種類は絞られます。
ホホジロザメ(Great White Shark)、イタチザメ(Tiger Shark)、オオメジロザメ(Bull Shark)の3種類が、現時点において、人を襲う可能性のある危険な種類と言えます。そのため、事前の注意喚起は大切なのですが、種類の特定といった事も重要なのではないかと、茨城でのニュースを見て感じました。
さて、かなり脱線しましたが、ケリーのフリーサーフをチェックして下さい。コンテストシーンとは違い、フリーサーフィンとなると、ジャッジによるポイントなど関係ないので、ラインが異なるのが興味深いですね。
ちなみに、動画前半で登場するのはショーン・ホームズ。過去に何度かJベイでのツアーイベントにワイルドカード出場したローカルサーファーで、ケリーやアンディ・アイアンズを破る波乱を起こし、最強のワイルドカードと呼ばれていましたね。
ケリーの登場シーンは、2:00辺りからとなります。
ケリーのお勧め過去記事は、下記リンク先から参照して見て下さい。
2013/2014シーズン「Oakley Wave of the Winter」を受賞したケリー・スレーター
オーストラリア東海岸で癖のある波にチャージするケリー・スレーター