ブラジルのコンテスト界における女性サーフシーンのみならず、世界の女性サーフシーンを牽引するほど影響力の強いサーファーであるシルヴァナ・リマ「Silvana Lima」(31歳)。
2008年と2009年はWCTランク2位というキャリアを誇り、昨年2015年シーズンのワールドツアー初戦では、女性サーファーとしては極めて異例なエアリバースをメイクしてパーフェクト10をマークしたりと、シーンに欠かせない存在となっています。
そんな華やかな活躍とは裏腹にメインスポンサーに恵まれなかったシルヴァナ。今回の動画は、女性トップサーファーでありながらスポンサー環境に恵まれなかったシルヴァナ・リマについて、イギリス公共放送局のBBCが製作したドキュメンタリー映像をお届けします。
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これまでに残してきたサーフキャリアを見る限り、大手ブランドがこぞってサポートするのが当然と思えるほどの活躍を果たしているシルヴァナ。しかし、メインスポンサー不在の時期が長く続きました。
メインスポンサー不在ということは、世界を転戦するにも全て自腹。そのため、再度のワールドツアー入りを目指していた2014年には、クラウドファンディングで遠征費を募っていたこともありました。
キャリアとスポンサー事情が比例しない理由として、シルヴァナが言及しているのが性差別。女性サーファーに求められるのはモデルのようなルックスだと言います。
一方、男の子に混じってサーフしながら育ったシルヴァナは、男勝りのサーファーを目指してラディカルなスタイルを手に入れプロとなったものの、本人曰く「モデルや可愛らしい女の子とは程遠いため、メインスポンサーが付かなかったの」とのこと。
金銭的なサポートがなければ、世界を転戦する費用も捻出できません。そこでシルヴァナが始めたのが、フレンチブルドッグのブリーダー。ホームではブリーダーをしながらお金を貯め、遠征費に充てていたと言います。
そんなシルヴァナですが、昨年2015年、ようやくメインスポンサーが付きました。そのスポンサーとは、ブラジル開催のWCTイベントで冠スポンサーを務める大手通信企業「Oi(オイ)」。
オイは昨年、サーフィン界への進出強化のため、シルヴァナ、アドリアーノ・デ・スーザ、フィリペ・トレドと契約を結んだのです。それもこれも、ガブリエル・メディナがブラジリアン初のワールドチャンプとなったことで、国内サーフシーンが盛り上がってきたためですね。
2014年度ASPメンズワールドチャンピオン:ガブリエル・メディナ
ちなみに、オイがメインスポンサーとなったシルヴァナですが、結局のところ、大手サーフブランドからはスポンサードされていないというわけです。
最後に、シルヴァナはこのような事を口にしています。「男性サーファーなら、こんな問題はないわ。でも、女性サーファーの場合、今でも純然として性差別の問題がサーフィン界にあることを、みんなに知ってもらいたいの」とメッセージを発しています。