これまでアメリカ(ハワイを含む)やオーストラリアのサーファーが席巻していた世界のサーフシーン。
当然、スターサーファーの多くはアメリカやオーストラリア出身であったので、同国出身の監督によるサーフムービーがワールドスタンダードになっていました。
しかし、ここ数年でサーフィンの勢力図に変化が起こり、ワールドツアーではブラジリアンストームが勢いを増すことに。となれば、ブラジリアンが主体のサーフムービーが台頭して来てもおかしくありません。
今回の記事は、ブラジリアンサーファーをメインに据えた市販サーフムービーをリリースした24歳のガブリエル・ノヴィス(Gabriel Novis)監督デビュー作品「Sorria」に関する情報をお届けします。
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ブラジリアンストームが台頭してきてからリリースされたメジャーサーフムービーであるカイ・ネヴィル監督作品「Cluster」やジョンジョン・フローレンスのシグネチャームービー「View From A Blue Moon」。
両作品を見て気付く点としては、ほぼブラジリアンサーファーが出演していない点。ジョンジョン作品のブラジルでのシーンのみ、フィリペ・トレドが出演しているくらいです。
ブラジリアンサーファーがほとんど出演していない理由は、スケジュール面もあるとは思いますが、言語の壁も大きいのかもしれません。WSLによるインタビュー記事で、ノヴィス監督は以下のように発言しています。
「ブラジリアンサーファーの多くは英語を喋れるけど、細かい点に関しては上手く英語で表現できないのかもしれない」。
実際、勝利者インタビューなどでは流暢に英語を喋っているように見えるフィリペは、英語が苦手と口にしています。そのため、サーファーポールといった公の場などでは、定番のセリフだけを口にした後に「ヒュー!」と言い放ってコメントを締めてしまいますしね(笑)。
そんなブラジリアンサーファーなので、同じ母国の監督が出てくれば、一緒に作品作りに関わりたいと思うのは自然な流れなのかもしれません。そして多くのブラジリアンサーファーが出演する事となったノヴィス監督作品「Sorria」。
出演サーファーは以下の通り。
Yago Dora
Filipe Toledo
Matheus Toledo
Jesse Mendes
Tomas Hermes
Caio Ibelli
Victor Bernardo
Alex Chacon
Ian Gouveia
Yuri Gonçalves
Gabriel André
Jean da Silva
Cornelia Grimsmo
まだまだ日の目を浴びていないものの、凄まじい才能を持ったサーファーが多く埋没していると思われるブラジル。そういったサーファーにとって大きなチャンスとなり、サーフファンとしてはブラジリアンのラディカルなサーフィンを目にする機会が増えます。
みんなにとってプラスになる動向ではないでしょうか。コンテストサーファーだけでなく、サーフ業界全体で吹き荒れ続けるブラジリアンストーム。今後がさらに楽しみです。
ちなみに、作品タイトルとなっている「Sorria」は、「smile(笑顔)」という意味だそうです。