主にコンテストシーンで活躍する一握りのトップサーファー以外、金銭面で苦労するサーファーが多いサーフシーン。
そのため、才能はありながらも金銭的事情からサーフィンに専念できず、埋もれていくサーファーも少なくありません。
今回の記事は、埋もれさせるにはもったいないとスタブ誌がサーフシーンを巻き込むべくローリー・タウナー「Laurie Towner」(30歳)をピックアップしたニュースをお届けします。
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11歳の時に大手サーフブランドのビラボンがスポンサーに付いたローリー。未来明るいキッズサーファーであったローリーは、ジュニアシリーズでトップ5入りしたり周囲の期待に応える活躍を見せました。
コンテストシーンで活躍していたものの、ローリーの才能はビッグウェイブサーフィンにおいて突出していたので、ビラボンのプッシュもあって10代後半からビッグウェイブサーファーの道へと進むことに。
ビッグウェイブサーファーとしても当然のように活躍したローリーでしたが、雑誌のカバーを複数回飾ったりと順調であった2014年、特に説明もないままビラボンからスポンサー契約を打ち切られることになりました。
このニュースを聞いた当時、小波からビッグウェイブまで万能なローリーほどのサーファーならば、すぐにでも新しいメインスポンサーが付くと思いましたが、現在もメインスポンサー不在の状況が続いています。
メインスポンサー不在ということは、一切の金銭を得ることができません。当時のローリーの状況はと言うと、パートナーが妊娠し、好調なキャリアを築いていたので住宅ローンもあったとのこと。
つまり、家族を養ったり住宅ローン返済のためには現金収入が欠かせなかったので、大工仕事を始めることに。ただ、大工仕事はどうしても馴染めず、ここ1年弱はタイル工として修業中とのこと。
こんな状況であれば、当然サーフィンに専念することはできないので、ローリーの才能を埋もれさせるのはもったいないと思ったスタブ誌が、メインスポンサー探しとしてローリーをフィーチャーした記事を公開したのです。
すると、数々のプロサーファーがスタブ誌に賛同することに。特に注目を集めたのは、アルビー・レイヤーによるSNS投稿。
次期ジョンジョン探しに没頭し、若いサーファーにばかり投資するサーフ業界の犠牲になったサーファーの一人がローリー。
オレたちの世代は20代になるまで大金が絡む契約なんてしてもらえなかったのに、今じゃ20歳になるまでにビッグスポンサーとの契約がなければ、サーフキャリアは終わりに等しい時代。
コンテストシーンばかりが脚光を浴びて、フリーサーファーが生きていけなくなれば終わりじゃないかな。サーフィンの良さって多様性にあって、多様性によって輝きが増しているんだから。
このアルビーの投稿には多くのプロサーファーが賛同し、ケリー・スレーターまでコメントを残しています。ケリーのコメントは以下の通り。
アウターノウン(ケリーのアパレルブランド)として、すぐにでもしっかりローリーのスポンサーになれる手段があれば良いんだけどね。だって、ローリーのサーフィンはヤバいし!
ローリーと言えば、ハリウッド映画「X-ミッション」にて主人公であるジョニー・ユタのスタント役をこなしたりと、決して業界での知名度が低いわけではないので、ここまでサーファーとして苦しんでいたとは意外でした。
アウターノウンがローリーのメインスポンサーとなれば、それはそれで面白いですね。さすがケリー、頼もしい存在です。
何はともあれ、どのような結果になるのかは分かりませんが、これほどのムーブメントが起きればメインスポンサーが付くのは時間の問題かと思います。
サーフィンは個性の多様化も魅力の一つなので、ビッグネームにビッグマネーが動くだけでなく、少額づつでもプロサーファーをサポートしてくれるムーブメントが生まれればと願っています。
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参照記事:「Everybody Is Backing the Laurie Towner Sponsorship Movement」