今ではトップアスリート並みのトレーニングを行うことが当たり前となっているプロサーファー。
なのですが、その歴史は浅く、おそらく2004年にハムストリングスを断裂したことでトレーニングに励むようになったミック・ファニング辺りが走りではないでしょうか。
今回の記事は、2007年に初のワールドタイトル獲得となったミック・ファニングをパフォーマンスコーチとして支えたマット・グリッグスが語ったサーファー向けトレーニングに関するインタビューの一部をお届けします。
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怪我防止にも繋がるパフォーマンス向上トレーニング
サーフィンのパフォーマンスにおいて、重要なポイントは「スピード」と「爆発力」。そしてスピードの出た状態で体を回転させたりしゃがむといった動作に、マットはトレーニングのフォーカスを当てているのだとか。
では、サーファー向けのトレーニングにおいて最も重要なことは?マットが提案しているのは体勢作り。体勢が崩れると発揮できるパワーが制限されるためです。
そこで正しい体勢作りのため、ボールを使ったりしながら、サーフィン特有となる体を回転させたり、屈んだ状態でのトレーニングを行うとのこと。
このトレーニングを行うと日常生活ではあまりないサーフィン体勢となってもパワーを発揮できるようになるだけではなく、体がサーフィンの動作に対応することで怪我の予防にも繋がるそうです。
無理な体勢で力を入れたり踏ん張ったりすると怪我をしてしまうので、トレーニングを通じてサーフィン体勢に対応できる体を作るということでしょう。
怪我予防に関する実例として、「デーン(レイノルズ)はトレーニングしないから、これまでに何度も怪我してるでしょ」といった事例を挙げています。
バランス力強化トレーニング
体勢作りにも似ているのですが、不安定な海面がグランドとなるサーフィンにおいて求められるバランス力。そのバランス力を高めるトレーニングとして、マットが提案するのは、体の回転を加えたスプリットスクアット。
サーフィンの動作として一般的な体の回転を加えながら両足を鍛えることで、体の可動域が広がることとなり、サーフィンにおいてもプラスになるとのこと。
パフォーマンスを左右するメンタル強化
肉体的トレーニングと同じく、マットが重要視しているのがメンタルトレーニングで、マットが取り入れているのはわずか5分しか時間のかからないケリー瞑想(Kelee Meditation)。
集中できず心が乱れた状態でいると、日常生活においてもサーフィンにおいても失敗に繋がるためであり、失敗を犯さないためにも瞑想を取り入れているそうです。
シンプルな息止めトレーニング
波がサイズアップした時、怖いのは波に巻かれる時間が長くなること。そのため、長時間息を止める事ができるようになれば、巻かれても怖くないので果敢にチャージできるようになるはず。
そこでマットは、海やプールに入ることなく可能と言う非常にシンプルなトレーニングメニューを紹介しています。
1. 30秒息を止め、30秒休憩
2. 60秒息を止め、60秒休憩
3. できるだけ長く息を止める
実際にマットは上記トレーニングを毎日行い、3~4週間後には3分50秒の息止めができるようになったそうです。
まとめ
サーフィンに必要な部位を鍛えながら怪我防止という非常にファンクショナルなトレーニングかつ、シンプルで分かりやすいメソッド。
トレーニングメニューを組む上で、トレーナーがどの部分にフォーカスして当てているのかが分かる興味深い内容ではないでしょうか。
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参照記事:「MATT GRIGGS ON HOW TO TRAIN FOR SURFING」
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