先日お届けした脳を食らう殺人アメーバ「フォーラーネグレリア」に感染したサーファー、ファブリツィオ・ステイビルが死去したニュース。
ファブリツィオが感染前に米国テキサス州ウェーコにあるウェイブプール「BSRサーフリゾート」を訪問していた事から、原因究明のために同ウェイブプールでは水質検査が行われていました。
今回の記事は、水質の検査結果を受けてBSRが発表した声明文などといったニュースをお届けします。
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まずは声明文の発表前にBSRについての説明をします。BSRとは複数のアトラクションがあるウォーターパークで、正式名はBSRケーブルパーク。
BSRケーブルパーク内には、ケーブルパーク(ウェイクボード用)、サーフリゾート(サーフィン用ウェイブプール)、ロイヤルフラッシュ(ウォータースライダー)、レイジーリバーなど、それぞれが異なるエリアにあります。
ここからが検査結果を受けたBSRの声明文のサマリーとなります。
BSRサーフリゾート、レイジーリバー、ロイヤルフラッシュの水質検査の結果、安全基準を満たしていて、問題なくクリーンであることが判明しました。
ですが、よりハイレベルな安全基準を設けるために最先端の濾過システムを導入することに決め、2月の設置完了を目指しています。
現在、アメリカにあるウェイブプールは数える程度しかありませんが、今度は国内で多くの建設予定であるため、安心して施設を利用していただくためです。
この声明文を見る限り、フォーラーネグレリアに感染して亡くなったサーファーがBSRサーフリゾートで感染したわけではないとの印象を受けます。
しかし、上記で示した水質テストにはケーブルパークの記載はなく、実はケーブルパークではフォーラーネグレリアが発見されたとのこと。
かなり分かりにくいのですが、ウォーターパークのアトラクションには「スイミングプール」と「自然水域」との区分が個々にされていて、水質基準が異なります。
スイミングプールの場合は安全基準が厳しいのですが、自然水域(湖など)に区分されると基準が緩く、ケーブルパークの場合は自然水域とのことでフォーラーネグレリアが発見されたものの、条例には引っ掛からないとのこと。
ここで問題となるのが、BSRサーフリゾートを訪れたファブリツィオがケーブルパークに入ったのかどうかですが、この点について報じているメディアは現時点において見つからないので、明らかになっていないのでしょう。
今回の声明ではBSRには非がないと明言しているような内容ですが、基準を満たしていながらもこれまで行っていた以上の対策に乗り出すという事は、かなりの危機感があっての事と思います。
さて、モダンウェイブプールはまだ新しいものなので、対策が追い付いていないとも言われています。今回の件とBSRの因果関係は不明ですが、死を無駄にしないためにも今後増加するであろうウェイブプールのリスク管理が世界規模で広がればと願います。
最後に、自然そのものの海に入るサーファーもそれなりにリスクがあり、例えばカリフォルニアでは降雨後に大量のバクテリアが海に流れ込むので海に入らないのが通例ですが、海に入って昏睡状態となったプロサーファーもいるほどです。
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参照記事:「Amoeba at area water sports complex tied to New Jersey man's death」