先日ネット上を騒がしたハワイのオアフ島ノースショアのパイプラインでのサーファー同士の接触事故。
映像があまりにショッキングだったものの、当の本人たちは幸いにして怪我もなかったのですが、一体全体あの事故に至るまでの経緯は何だったのか!?
今回の記事は、当事者2名それぞれの見解と実際の接触事故動画をお届けします。
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2人のサーファーが同じ波に乗ることを「2in1」と言いますが、あくまでも気心の知れた仲間同士での遊び。
今回の動画は1人のサーファーがもう1人に体当たりしているので、とても仲間同士の遊びと言った感じではありません。
まずはどのような状況だったのか映像からチェックして見て下さい。
ここからは当事者のコメントとして、体当たりを喰らったカイラニ・ジャボール(キロン・ジャボールの兄弟)の見解は以下の通り。
今シーズンの残り少ないセッションで良い波に乗りたいって思ってたんだ。
そしてようやく僕の波が入ったけど、尋常じゃない混雑だから、いつもと変わらず決して声を上げることなく波に乗った。
すると一人のサーファーがスネーキングした様子が目について「マジかよ。僕の波って分かってるはずだから、頼むからバカな事はしないでくれよな」って心の中で願ったよ。
で、波に乗り続け、スタンディングバレルに備えてレールをセットしたんだ。
その瞬間、僕よりボトムにいたヤツが波のトップに上がってて、ボトムターンしてる僕のボードに飛び込んできた。
後で映像を見て分かったけど、僕に対して前宙をした格好になって、彼の頭が僕のボードのフロントに突っ込んで、もつれこんだんだね。
パイプラインって場所を考えれば、二人とも大怪我をしてもおかしくないシチュエーションだったけど、幸いにして二人ともに大怪我には至らずに済んで良かったよ。
ここで気になるのは、カイラニの波にスネーキングをし、さらには体当たりというパンチアウトも当たり前と言えるほどのマナー違反を犯したサーファーの正体。
その人物とは、90年代からパイプラインでサーフしているアーロンという一般サーファーとのことで、アーロンの言い分は以下の通り。
信じてもらえないかもしれないけど、僕からしてみればあの事故は決して意図的なものではなかったんだ。
パイプで随分とサーフしてきて、長すぎる波待ちや混雑にフラストレーションが溜まっていたのは事実。
さらに言えば、あの波に乗って楽しんでいたんだ。ただの一般サーファーで、サーフィンから離れていた時期もあったから事態を完全にコントロールできる力量があるわけじゃないけど。
でもね、波が予想外のブレイクをする可能性も考えて真っすぐのラインを取って逃げるべきだったと今は思ってる。
カイラニに対して体当たりした格好になったのは、僕はカイラニを飛び越えて接触を回避しようとしたんだ。
カイラニがインサイドセクションに狙いを定めてストールしているのが見えたから。
ワイプアウトして少し脳震盪を起こしたけど、僕は全然大丈夫で、カイラニも大丈夫だって聞いて安心した。
カイラニはローカル、アーロンは長年パイプでサーフしているということで、二人には共通のサーフ仲間がいて、最終的に今回の件は尾を引くことなく終えたとのことです。
でも、これってカイラニがあまりにも優しいからこれで終わったんでしょうね。
もしも相手がサニー・ガルシアだったらどつき回されると言うか、スネーキング自体をしなかった事でしょうね…。
単独ワイプアウトでも何人ものサーファーが命を落としているパイプラインという場所柄を考えると、知識と経験のあるベテランサーファーの行動としては非常にタチの悪い行為で残念なニュースです。
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参照記事「What’s The Real Story Behind Yesterday’s Viral Pipe Collision?」