長年に渡り、CT(チャンピオンシップツアー)イベント最終戦として君臨していたパイプマスターズ。
ハワイのオアフ島パイプラインを舞台にしたイベントで、パイプは無名サーファーであろうとパイプでのトップライドをメイクすれば一夜にしてスターになれると言われていたほどのサーフスポットです。
そんなパイプマスターズが、今年2022年は完全リニューアルをしてリアルイベントとして開催されることに。
今回の記事は、部分的に明かされた2022年パイプマスターズに関するフォーマットや出場サーファーなどといったニュースをお届けします。
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パイプマスターズのこれまでの歩み
近年のパイプマスターズと言えば、前述した通り、CTイベントの最終戦という位置付けでした。
その位置付けが変化したのは、WSL(ワールドサーフリーグ)がCTのツアー大変革を実行したため。
具体的な内容については下記リンク先の過去記事をチェックして見て下さい。
新パイプマスターズのフォーマット
イベント出場者の構成
今回のフォーマット一新はかなりダイナミックな内容となっています。
出場する招待サーファーは計60名で、内訳はメンズが40名、ウイメンズが20名で、出場者の20%はCTサーファー。
出場者の半数はハワイアンサーファーでの構成となります。
現時点で発表されている招待サーファーは以下の通り。
*メンズCTサーファー
ジョンジョン・フローレンス
クロスビー・コラピント(おそらくグリフィンの間違い)
ジャック・ロビンソン
イタロ・フェレイラ
セス・モニーツ
バロン・マミヤ
ガブリエル・メディナ
ケリー・スレーター
*ウイメンズ
カリッサ・ムーア
モアナ・ジョーンズ・ウォン
ココ・ホー
ゾーイ・マクドゥーガル
ベティルー・サクラ・ジョンソン
タティアナ・ウェストン・ウェブ
マリア・マニュエル
プア・デソト
べサニー・ハミルトン
イーレン・ヴァアスト
ケイトリン・シマーズ
シエラ・カー
タイラー・ライト
ベラ・ナル
ヴァヒネ・フィエロ
マルヒア・キニマカ
ルアナ・シルヴァ
ステファニー・ギルモア
ヒートフォーマット
ヒートはトーナメント形式ではなく、敗者が出ない「No Elimination」ラウンド形式となり、各ヒートは4人出場でハワイアン2名とノンハワイアン2名の構成。
出場者は計3ヒートに参戦し、3ヒート終了後のトップ3スコアのトータルで上位4名となった男女がファイナル進出へ。
ファイナルは45分ヒートで行われて優勝者を決定。
いわゆる予選ヒートとなる3ヒートと言うのが絶妙で、トーナメント形式だとヒートによってはコンディションが悪くなるケースもあります。
つまり、時の運にも左右されるので、そういった要因を篩にかける意味でも3ヒートは大きな意味があります。
プライオリティルール
非常に斬新と言えるのですが、通常のコンテストではスタンダードとなっているプライオリティルールは無しとのこと。
プライオリティ無しということは、実力の差が出やすくなるかと思います。
と言うのも、よりディープなポジションにいるサーファーがプライオリティを得ますが、波に捕まるほどディープなポジションにいたらプライオリティを得ても意味がありません。
そのため誰もがギリギリでメイクできる辺りにポジショニングしますが、上手いサーファーほどディープなポジションを取ります。
タヒチCTイベントにて、チョープースペシャリストのネイザン・ヘッジが「今まで俺以上にディープなポジションにいたのはアンディ(アイアンズ)くらいだったけど、今回ジャックロボが俺より奥に行ったんだ」と口にしていましたし。
プライズマネー
パイプマスターズの賞金総額は42万ドル(約6,184万円)で、優勝賞金は10万ドル(約1,472万円)。
CTイベント優勝と同額を賞金として設定しているのは驚きであり、それだけ気合の入ったイベントにしようとしている事が分かります。
ジャッジ基準
パイプイベントのジャッジ基準と言ったら、基本的にビッグバレル勝負といった感じで、バレルをメイクしたらキックアウトするサーファーが大半。
ですが、近年ではエンドセクションでビッグエアーをするサーファーも出てきたものの、CTではエクストラポイントに繋がっていないように感じることがありました。
ですが、新生パイプマスターズではバレルだけでなく、ターンやエアリアルも重視する採点になるとのこと。
エキサイティングになること間違いないジャッジ基準と言えます。
まとめ
サーフィンの進化にも繋がると思われる実験的なフォーマットなので、非常に楽しみなイベントの一つと言えます。
個人的にはウイメンズのパドルインでのビッグバレルと言えば、ジャスティン・デュポンがトップレベルにいるサーファーの一人なので、出場してほしいと思っています。
ウイメンズの招待サーファーリストは18名と残り2名が未発表なので、ジャスティンが追加される可能性も十分にあるとは思いますが。
何はともあれ、個人的にはコンテストでここまで大胆かつエキサイティングなフォーマットに変更したのを見たのは初めてなので、今から楽しみです。