先日、南アフリカで開催されていたワールドツアーイベント「Jベイ・オープン」のファイナルにて、3×ワールドチャンピオンのミック・ファニングがサメに襲われ、サーフィン界のみならずビッグニュースとなりました。
Jベイ(南アフリカ)のWSLイベント決勝でシャークアタック発生:ミック・ファニング
そこで今回の記事は、世界におけるシャークアタックの発生件数をベースに、シャークアタック事情に関する考察の内容となります。
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年々、増加傾向にあると考えられているシャークアタック。サメに襲われたら、死に直結すると考える人も少なくないと思います。そこで、まずはフロリダ自然史博物館が発表している2005~2014年に世界で発生した件数チャートをチェックして下さい(「Fatal」が死者、「Non-fatal」が怪我人)。
この数字を見ると分かりますが、シャークアタックに遭遇しても、死に至るケースは極めて低い割合となります。ただし、「Non-fatal」の程度は人によって大きく異なり、今回のミックのよう、かすり傷一つない場合もあれば、ベサニー・ハミルトンのように片腕を失う場合と様々なケースが含まれています。
ここからは、WA(ウエスタンオーストラリア)州で鮫の捕殺が検討されたり、今年は日本人サーファーが犠牲になったりと、シャークアタックが多いと思われるオーストラリアをピックアップして見ます。まずは、オーストラリアの発生件数チャートを見て下さい。
この数字を見ると、オーストラリアの各州はシャークアタック対策に頭を悩ませていますが、実際の発生件数はわずかです。当のオージーの中には、「交通事故の件数に比べれば、微々たるものだから問題ない」と口にする人もいます(2014年、豪の交通事故死者数は1,056名)。
ただし、オーストラリアは海でのアクティビティが観光資源の一つ。シャークアタックの影響から、観光客の減少は避けたいため、何らかの対策に追われるのは当然ですね。
シャークアタック予防策
世界的に見て、シャークアタック対策として、これまでに行われてきたのはシャークネット。海水浴客などを守るため、沖合に鮫が侵入できない網を張ったのです。しかし、あまり効果はなかった上、鮫以外の魚が網に絡まり、生態系に影響を及ぼすとの批判もありました。
そこで、オーストラリアでは現在、水中音波探知機を使い、サメの到来をビーチにいるライフガードへと即座に伝達するシステム作りにも力を入れています。
沖合にサメが現れたら情報を伝達する「クレバー・ブイ」
今後のサーフィンコンテスト
今回のサーフコンテスト中の事故を受け、おそらく来年度の南アフリカでのツアーイベントは開催されないと思います。しかし、世界のどこであろうと、サメはいます。
今後もサーフコンテストを続けて行くためには、WSL(ワールドツアー運営団体)はサーファーの安全面を確保するためにも、根本的な予防策を講じる必要が求められるかと思います。確実な予防策が存在しないので、酷な話だとは思いますが、世界的に悪い意味で注目を集めてしまったので、しょうがないですね。