サーフィンのルーツを考えると、誰もが思い浮かぶのがハワイではないでしょうか。古代ハワイアンボードのアライア、アメリカ本土やオーストラリアでサーフィンのデモンストレーションを行ったデューク・カハナモクといった存在の影響が大きいためです。
ハワイでのサーフィン史の始まりは諸説あるのですが、せいぜいが西暦の話。つまり、現在が2016年という事は、古くても2,000年ほどというわけです。
しかし、ハワイよりも遥か昔となる5,000年以上前からサーフされていた場所があります。それが南米ペルーのウアンチャコ(Huanchaco)で、世界最古の波乗り船と呼ばれる葦で作られたトトラボード(Caballitos de Totora)が誕生した地です。
今回の動画は、オーストラリアNSW(ニューサウスウェールズ)州クレセントヘッドで行われたトトラボードのデモンストレーション映像をお届けします。
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トトラボードはこれまで、国外でデモンストレーションされたことは一度もなかったと言います。ならば、オーストラリアでデモンストレーションが行われることになった理由は?
現在のサーフィン界では、世界サーフィン保護区(World Surfing Reserves)というものがあります。目的は、素晴らしい波がブレイクするサーフスポットおよび周辺エリアの環境を保護すること。
現時点で世界サーフィン保護区に制定されているのは、エリセイラ(ポルトガル)、マリブ(米国)、サンタクルズ(米国)、マンリー(オーストラリア)、バイア・トドス・サントス(メキシコ)、ウアンチャコ(ペルー)、プンタ・デ・ロボス(チリ)。
上記7エリアに加え、今回、ゴールドコーストが8つ目のエリアとして制定されたので、その記念として、ペルーからの使節団を伴い、オーストラリア東海岸をボンダイから北上するトトラボードのデモツアーが敢行となりました。
紀元前となる5,000年以上も昔、トトラボードで初めて波に乗ってしまった人は、我々と同じく、サーフィン特有の浮遊感に興奮したのかと思いを巡らすとロマンを感じてしまいますね。