昨年2015年、日本人サーファーがシャークアタックにより命を落とした事故に始まり、その後もシャークアタックで2名の重傷者が出てしまい、悪い意味で注目を集めてしまったオーストラリアNSW(ニューサウスウェールズ)州北部のバリナ(Ballina)。
日本人サーファーが被害者となったオーストラリアNSW州でのシャークアタック
シャークアタックはバリナだけに留まらずNSW州全域で多発したため、州政府が5年計画でシャークアタック防止対策に乗り出したのは、すでにお伝えした通りです。
サメに脅かされる豪NSW州!5年計画のシャークアタック防止策の実施を発表
今回の記事は、昨年のシャークアタック震源地となったバリナにおいて、防止策の一環としてエコ・シャーク・バリアの設置が行われることになったのですが、ローカルサーファーからは反対の声が上がる事態に発展したということで、内容についてお届けします。
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バリナで設置となるエコ・シャーク・バリアは、すでに昨年11月から設置が検討されていたもの。同バリアについては、下記過去記事からチェックして下さい。
豪NSW州バリナで再びのシャークアタック&早急の採用が期待される防止策
さて、今回の設置に対して異議を唱えたのは、150名近くの反対派ローカルサーファーを束ねるマーク・ハーネイジ。住民の声を受けて対策に乗り出したバリナの市長にあたるデイヴィッド・ライトにして見れば、寝耳に水だったそうです。
マークの訴えは「エコ・シャーク・バリアの設置予定場所がサーフゾーンなんだ。これだと、サーファーが絡まる恐れがあるから、設置場所を再考してほしい」とのこと。
普通に考えれば、このような事態はあり得ないはず。というのも、NSW州でのシャークアタック被害者の多くはサーファーであり、サーファーは保護対象者であるのですから。
この意見に対してデイヴィッドは「ネットがサーファーに絡まったりといった危険性はあり得ない。地元サーフクラブも同意見だし」と、思いも寄らない反対運動に困惑しながらもコメントしています。
このような反対意見はあるものの、今回の設置を見送れば、さらなる被害者が出る可能性があります。そこで反対派との折衷案として、1~2ヶ月ほど予定通りに設置してみて、反対派の意見通りの結果になれば、同バリアを撤去する方向で話を進めています。
シャークアタック防止策を進めることは今回の反対派も同じ意見でありながら、思いも寄らぬ点において食い違ってしまった両者。個人的には、自治体と住民の間での情報共有が十分ではなかったので起こった反対運動だったのかと思います。
何にせよ、両者にとって最大の問題はシャークアタック防止であることに変わりはないので、早い進展を期待したいですね。
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参照記事:「Surfers protest against installation of shark barrier at Ballina's Lighthouse Beach」
2016年のシャークアタック関連の過去記事
豪NSW州がシャークアタック防止策としてドローンで上空からサメ探知実験スタートを発表