昨年2015年シーズンのWCT最終戦において、ワールドチャンピオンを賭けたタイトルレースに絡んでいたオーウェン・ライト「Owen Wright」(26歳)。
最終戦前のサーフィンの調子が良かったため、オーウェンがワールドチャンピオンになる可能性は十分に考えられていた矢先となるイベント開催前日、パイプラインで練習中に脳震盪を起こすことに。
2015年度メンズWCT最終戦「ビラボン・パイプマスターズ」:初日ハイライト
今回の記事は、オーウェン・ライトがパイプラインでの事故後、初サーフとなった一週間ほど前の出来事を本人が綴ったSNS投稿の内容をお伝えします。
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パイプラインでの事故後及び今シーズンのWCT初戦の開催間際まで、誰もが当然のよう、オーウェンがワールドツアー開幕戦に出場すると考えていたはず。しかし、開幕前に今シーズンの前半戦は全て欠場するとの発表がなされました。
オーウェン・ライト&ビード・ダービッジが2016年WCT初戦欠場を発表
この時点においても、大事を取ってのことだろう程度にしか思わず、私を含めて事態を深く考えていない人が多かったはず。しかし、本人のSNSを見ると、思いも寄らぬ真実が綴られていました。
投稿された文章の内容は、以下の通りとなります。
僕の経験をみんなとシェアするね。
数日前、(事故後)初サーフしたんだ。最高に楽しかったんだけど、笑っちゃうことに・・・立ち上がれなかったんだよね。膝波で腹ばいのまま進むだけで。
ドロップも大した事はないはずなのに、チョープーの10フィートにドロップしたような感覚だった。波を乗り終えたらストークして、大声を上げながらガッツパーズまでして、キタとハイタッチしたんだ。
*「キタ」とは、オーウェンのガールフレンドでミュージシャンの「キタ・アレクサンダー」
5分後にビーチに戻ってから、ふと振り返ってみると、僕が今までしてきたサーフィンやみんなが当たり前にしているサーフィンと、さっきのライディングを比較するようになった。
そうなると、なんで僕はみんなと同じことができないんだって疑問に感じて、さっきのライディングは台無しだし、楽しかったって思っていたはずの気持ちも変化した。
その時になって、自分を変える必要があるって気付いたんだ。かつての自分や周りと比較したり、自分のダメな点ばかりに目を向けても、今の僕にとって何もプラスにならない。ネガティブな感情を抱いていると、成長や幸せの妨げになるから。
簡単に言えば、前に突き進むしかないんだよね。
あまりに衝撃的なオーウェンの発言を読むと、脳へのダメージがここまで恐ろしいのかと言葉が出ません。
オーウェンの心中を察すると軽々しい言葉に聞こえてしまうかもしれませんが、ただただ早い回復をお祈りします。