海水浴客が増える夏場になると耳にする機会が増加する離岸流による海での水難事故。離岸流は、英語ではリップカレント(Rip Current)と呼ばれ、サーファーの間では海での流れ全般をカレントと呼んでいます。
今回の記事は、夏場の海水浴客のみならず、年中海に入るサーファーもおさらいしておこうということで、離岸流のメカニズニムや沖へと流された場合の脱出方法についての内容をお伝えします。
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離岸流(リップカレント)とは
そもそも離岸流とは、岸から沖合に向かって発生する流れのこと。離岸流に入ってしまうと、あっという間に沖合まで流されてしまいます。そのため、パニック状態に陥り水難事故に繋がるケースも珍しくありません。
ただ、離岸流のメカニズムを知っておけば、そこまで恐れる必要がないことが分かるので、しっかり知識としてメカニズムを覚えておきましょう。
離岸流(リップカレント)のメカニズム
メカニズムについて説明してくれるのは、世界で最も危険な海岸と呼ばれるハワイのオアフ島ノースショアでライフガードを務める傍ら、ビッグウェイブサーファーとして活躍する海のエキスパートであるデイヴ・ワッセル。
デイヴによると離岸流が発生するのは、最大でも岸から沖合までの距離が100ヤード(約91メートル)で幅は50ヤード(約45メートル)程度とのこと。つまり、強い流れが発生しているエリアは、極めて局地的であることが分かります。
離岸流(リップカレント)から抜け出す方法
離岸流に流された場合に陥りがちな行動は、岸に向かって真っ直ぐに泳いで戻ろうとする行為。しかし、流れに抗って泳いでも、泳ぐスピード以上の流れが発生している場合もあります。
そこで重要なのは、慌てずに流れから抜ける行動を取ることです。離岸流の幅は広くても45メートル程度であることが大半なので、岸に平行して左右のいずれかに向かって泳ぎ、離岸流を抜けてから岸に向かって泳ぐよう、デイヴはアドバイスしています。
離岸流(リップカレント)の見分け方
サーファーは離岸流を見つけるのが上手く、離岸流を利用して沖へとパドリングしていくと言われることがあります。個人的には、どうかな!?と疑問符を持ちます。
海底が岩場のリーフブレイク、岬に沿って波がブレイクするポイントブレイク、堤防やテトラポッドといった人工物のあるサーフスポットであれば、規則的な流れが入っている場合が多いので見分けやすいのは事実です。
しかし、日本では一般的な砂浜のビーチブレイクは、海底の砂が簡単に移動し、サーファー流に言うと地形が変わりやすいため離岸流が発生する場所が流動的となりやすく、見分けるのは非常に困難。
そのため、離岸流を見分ける努力をするよりも、今回のアドバイスのような対処方法を頭に叩き込んでおいた方が効率的だと思います。メカニズムさえ知れば、落ち着いて対処できるはずなので。
まとめ
自然相手となる海の遊びは楽しいのですが、様々な危険も潜んでいます。今回の離岸流のよう、ちょっとした知識や経験から難なく回避できる危険もあるので、身の回りの仲間とこういった情報は積極的にシェアしましょう。