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日本でサーフィンとなると海水温は基本的に緯度に沿って変化し、最北端の北海道が寒く、最南端の沖縄(正確には最南端の都道府県は東京都で沖ノ鳥島)が温かくなります。

なのですが、その常識が通用しないエリアが世界には多々あり、そんなエリアの一つが南米ペルー。

ペルーの太平洋沿岸には寒流のペルー海流(フンボルト海流)が流れていて、海水温が緯度や外気に見合わず非常に冷たいためです。

今回の記事は、南米ペルーで体験した寒流の影響に関する情報をシェアします。


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僕がペルーでサーフしたエリアをいくつか挙げると、ロビートス、ワンチャコ、チカマと言ったところ。

ペルーは南半球に位置し、赤道が位置するエクアドルは隣国という事で特にペルー北部のエリアは赤道直下と言っても過言ではないくらい近いです。

具体的なエリアを引き合いに出すと、赤道直下のサーフパラダイスと言われるインドネシアに近いほど。

僕がペルーでサーフしたエリアで最も赤道から離れていたのはワンチャコで、そのワンチャコでも緯度がスンバワ島のレイキーピークと同じくらい。

にもかかわらず、外気はインドネシアのような常夏ではなく夜間にはフリースなどと言った冬用の衣類が必要な気温(僕が滞在した11月以降の日中は20度台を超えますが)。

海水温は強烈で、11月以降という事でペルーは季節的には夏目前から現在は真夏なのですが、僕は3ミリのフルスーツでも1時間くらいしたら寒くなってくるほど。

サーフシーズンの南半球のウインターシーズンには最も寒いので、最低でもセミドライがあった方が良いかなと言うレベルです(その代わりガラガラなブレイクが多い)。

この寒流の影響を受けているエリアの特徴は、実際に滞在してみると非常に興味深かったです。

まず海水温が低くて外気が海水温に見合ってないと言うことで、温度差の乖離が大きいので霧が発生しやすくなります。

僕がかつて茨城へとサーフィンで通っていた時に、外気と海水温の差が大きくなる時期には朝一はガスってしまい波チェックできないことが多々ありました。

ただし、日本では日が昇れば外気温がかなり温まるのですが、ペルーではそれほど大きな変化がないので日中を通して靄に包まれ陰鬱な印象を受けます。

また、寒流エリアではプランクトンが豊富という事で、餌にする海鳥の数がおびただしいほど存在します。

海で波待ちしていると近くに海鳥が急降下してきて、そんなところにエサがいたの!?とこちらが気付かないような場所でも器用にくちばしでキャッチしている姿をよく見ます。

さて、そんなペルーの現在は真夏を迎えているわけですが、ローカルによると今年は水温がずっと上がらず寒いままだから、未だにプランクトンが多くて海鳥も多いと口にしていました。

この辺りのエリアで、平年よりも水温が低い事はラニーニャ現象と呼ばれ、日本でも耳にするエルニーニョ現象の反対語です。

エルニーニョとは、平年よりも水温が高くなることで、サーフィンの世界ではハワイなどにビッグスウェルが発生しやすくなると言われています。

このエルニーニョとはスペイン語で英語にすると「The Boy」となり、「The」が付いているので特定の少年を指していて、その少年はキリスト。

キリストの誕生日辺りに海水温が上がるねと言う意味から「エルニーニョ」と名付けられたそうで、という事は「ラニーニャ(英語:The Girl)」が後付けの名称だと分かりますね。

最後になりますが、海外サーフトリップと言うとグッドウェイブを求める旅ではあるものの、個人的にはより包括的な意味合いがあると感じています。

その国の文化やカルチャーに触れたり、とにかく経験できることが無数にあり、だからこそ僕自身はサーフトリップを止める事ができません。

ネット普及の疑似体験のせいか海外旅行にすら興味のない方も増えているという現在ですが、経験と知識は全く別物であり、経験しないと実感できないことは多いです。

もしも海外サーフトリップに興味を持ち、一人でも多くの方が海外へサーフボードを持って飛び出すきっかけになれば嬉しく思います。

海外サーフトリップに興味のある方は、姉妹サイト「World Surf Travel」も併せてチェックして見て下さい。