ここ最近流行している「2in1」バレルでの撮影スタイル。二人のサーファーが同時にバレル(チューブ)に入り、奥のポジションにいる後方のサーファーが、前方のサーファーがバレルライドする姿を撮影するものです。
ただし、良い画を撮るためには、前方のサーファーもディープなポジションを取らなければならないため、当然ながら、後方のサーファーはワイプアウト覚悟の撮影となります。
当ブログでもこれまで、何度か2in1バレル撮影の記事をお届けしました。
マイケル・ホー&マーク・ヒーリーの2in1バレル@パイプライン
顔ぶれを見ると、トライしているのはいずれもビッグウェイブでの経験豊富なサーファーばかり。しかし、今回ご紹介する動画は、若干16歳のフォトグラファーによる撮影映像となります。
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バレル内で後方から撮影したのは、スラブ(底ボレするバレル)スポットが豊富な事で知られるオーストラリアNSW(ニューサウスウェールズ)州サウスコースト出身のリロイ・ベレ「Leroy Bellet」(16歳)。
もともと、今回の撮影方法を編み出したのは、フランス人フォトグラファーのローラン・プジョル(Laurent Pujol)。肩の故障からプロサーファーを引退したローランが、プロサーファーであった強みを生かした撮影方法がないかと模索し、辿り着いた撮影方法だと言います。
そんなローランから刺激を受けたリロイは、是非とも同じ撮影方法にトライしたいと考えます。しかし、完全なる真似事にはしたくなかったリロイ。
ローランは、ホームブレイクであるビーチブレイクのホセゴーでトライしたので、リロイは激浅なリーフブレイクでトライすることに。さらに、太陽が昇りきった明るい時間帯ではなく、薄暗い時間帯での撮影にこだわりました。
撮影対象となるリロイの前方を走るサーファーは、サウスコーストを代表するスラブハンターのスコット・デニスや、リロイと同じ学校に通う先輩のラッセル・ビールキといったサーファー。
リロイの信念は「前方を走るサーファーがずっぽりとバレルに入っていないと意味がない」とのこと。そのため、ドライリーフに近いほど浅いサーフスポットで撮影するリロイは、リーフカットで頭部を二回ほど縫ったりしています。
しかし、そのような努力は実を結び、豪サーフィンライフ誌と米サーフィンマガジン誌でのカバー(表紙)ショットという称号を、リロイは手にしました。
16歳という若手で、偉業を成し遂げたリロイ。今後、さらなるクリエイティブな撮影を考案する可能性が高いフォトグラファーなので、注目の逸材ではないでしょうか。