今年2015年シーズン、日本人にとってサーフィン界のビッグニュースは、何と言っても五十嵐カノア(18歳)のWCT入りですよね。ブラジリアンのガブリエル・メディナやフィリペ・トレドがワールドツアー入りを果たしたのは17歳。
そのため、最年少ツアー入り記録にはわずかに届きませんでしたけど、それほど早いツアー入りであり、来シーズンのWCTサーファーの中では最年少サーファーです。
今回の記事は、五十嵐カノアによる地元ハンティントンビーチでの最新サーフ動画、そして、WCT入りを決めた後にハワイで行われた米サーファー誌によるインタビュー記事と主観を織り交ぜた内容をお届けします。
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まずはサーファー誌のインタビュー記事を絡めた内容からお伝えします。今年2015年シーズンから本格的にWQS参戦したというカノア。とは言うものの、ジュニアイベントにも数多く出場しています。
本腰を入れたのが今年からとあり、当初の目標は最もグレードの高いQS10,000イベントへの参加資格を得られるだけのランク入りを狙っていたとのこと。QS10,000イベントが分からない方は下記リンクを参照して下さい。
WSLが運営するプロサーフィンツアーの「WCT」と「WQS」について
つまり、2015年シーズンは準備段階であり、2016年シーズンが本番といった流れを立てていたと言います。しかし、WQSイベントで順調に結果を残していき、8月に開催されたバンズ・プロで優勝すると、周囲からもツアー入りの可能性が囁かれていたので、本人もツアー入りを意識するようになります。
そして迎えたヨーロピアンレグでの2戦。しかし、2戦ともに早期敗退というボロボロの結果に。そこで一旦立ち返ります。当初はツアー入りが今年の目標じゃなかったんだから、ツアー入りできなくても問題なし。
あまり先のことを考えず、出来る限りの努力をした上で、コンテストを楽しもうと。そんな気持ちで迎えたブラジリアンレグ。肩の荷が下りたのか、優勝を含めた好成績を残し、最終結果から振り返ってみれば、ブラジルでの獲得ポイントでツアー入りを確定していました。
ブラジルWQSイベント優勝!五十嵐カノアの来季WCT入りがほぼ確定
来シーズンのWCTでのアプローチについて聞かれると、別人にならないと通用しないと分析。具体的には、筋肉量を増し、今まで以上に自信を持ったヒート展開を行い、サイズのある波で強くならなきゃいけないとのこと。
トップアスリートと言えば、動物的本能が鋭いタイプの人も多いですが、カノアの場合は理論派であり、自分の弱点を客観的に見抜き、ポイントを絞ったトレーニングをこなしているのだと思います。
だからこそ、18歳という若さでツアー入りしたのでしょう。トップサーファーになっても自分の弱点を受け入れ、改善しようと取り組む姿勢は、エリートサーファーの名にふさわしく聡明であり、さらなる飛躍が期待できますね。
ワールドツアーでの目標を聞かれると、日本人初のWCTサーファーとして、まだまだ規模が小さいアジアのサーフシーンの大きな後押しとなるためにも、良い成績を残したいとのこと。これまで通り、国籍はアメリカ表記になるとは思いますが、日本人としては嬉しいセリフですね。日本メディアではなく、アメリカメディアへのインタビューで答えているのですから。
最後に、最も楽しみにしてるイベント会場との問いにパイプラインと答えるカノア。ルーキーには不利な場所と思われているけど、9歳からパイプでサーフしているので慣れ親しんでいるためだそうです。おそらく、ギャフンと言わせたいのでしょう(笑)。
カノアのインタビュー記事を数々読んできて、強気なセリフを直接発することはないのですが、言外ににおわすことは多いので。強気な部分がないと、コンテストサーフィンでここまで上り詰めることはありえないので当然ですが。
本当に本当に、カノアが登場する来シーズンからのWCTイベントが楽しみですね。これを機に、日本人でWCTイベントを観戦する人も増えるのではないでしょうか。
さて、今回の動画は12月20日と21日にハンティントンビーチで撮影されたカノアの最新動画だそうです。是非チェックして下さい。
参照記事:「NEW YOUNG BLOOD」
五十嵐カノアの過去記事は、下記リンク先から参照して見て下さい。
What Youthがピックアップした18歳以下の注目サーファー:五十嵐カノア
世界に羽ばたく五十嵐カノア&レオナルド・フィオラヴァンティのクイックシルバーコンビ