現地時間2月25日(ハワイ)、2月10日の当日キャンセルに続き、今シーズン2度目のグリーンアラート発令で開催となった2015/2016年シーズンの招待制ビッグウェイブイベント「Quiksilver in Memory of Eddie Aikau」。
ハワイのオアフ島ワイメアを舞台にした同イベントは、グレッグ・ロングが優勝した2009/2010年シーズンに続き、実に6年振りの開催となりました。
先日他界したブロック・リトルが届けてくれたと言われる今回のスウェルは、同イベント規定サイズとなる20フィートを十分に超え、クローズアウトとなるセットも入るほどのビッグスウェル。
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そんなヘビーコンディションの中、優勝を果たしたのはビッグウェイブサーファーではなくWCTサーファーのジョンジョン・フローレンス。先日開催されたBWTイベント「トドス・サントス・チャレンジ」でWCTサーファーのジョシュ・カーが優勝したのと同様、プロサーファーが一つのジャンルに括られず、ウォーターマンとしてオールラウンドになってきたと感じさせられました。
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エディイベントのルール
一般的なサーフコンテストとはルールが異なるエディイベント。そこで、まずはルールから説明します。
ヒート時間は1ヒート1時間。ラウンド数は2つあり、ヒート数は1ラウンド4ヒート。つまり、合計で8ヒート行われる事になるので、開催時間は8時間となります。
各サーファーはラウンド1&2と計2ヒート出場。1ヒートで乗れる波の最大数は4本。2ヒートこなすことになるので、最大で8本乗れる事になり、その8本の中から最もスコアが高い4本の合計得点で最終ランキングが決定します。
スコアの付け方も少し異なるエディ。ジャッジは7名いて、一本のライディングに対して20点満点で採点。その中で、最大スコアと最少スコアを削除した5つのスコアを合計した得点がスコアとなるので、最大で100ポイントとなります。
ちなみに、エディイベントではアロハスピリッツに従ってシェアライドがオーケー。そのため、前乗り(英語でドロップイン)やプライオリティ(波に乗れる優先権)といったルールは存在しません。
欠場となった招待サーファー
今回のエディでは、招待サーファーでありながら参加できなかったサーファーが3名。ギャレット・マクナマラ、アルビー・レイヤー、ジェレミー・フローレス。
ギャレットは1月にマーヴェリックスで負傷、アルビーはエディが当日キャンセルした2月10日にマウイ島ジョーズで負傷したため。
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可哀想なのはジェレミー。世界を転戦するジェレミーは、普段は交通の便が良いフランスを拠点にしています。しかし、オフシーズンの現在、出身地であるレユニオン島にいたジェレミーは、数少ないフライトを押さえたものの、フライトがキャンセルとなり、ハワイ入りできませんでした。
もしもフランスに滞在していれば、いくらでも代替便があったと思われるので運が悪かったとしか言えません。6年振りの開催で、ジェレミー本人の体調にも問題がなかっただけに悔やまれますね。
イベントハイライト
サーファーがビッグウェイブにチャージする度に盛り上がった本日。特大セットが入り、ブレイクした波を乗り越えられないと判断したウォーターパトロールのジェットスキーが、全5台も揃ってインサイドまで逃げ惑う様子を見ると、いかにヤバいコンディションであったのか分かりました。
他には、イベント名とされているエディ・アイカウの弟であるクライド・アイカウが66歳にして参加し、チャージしている姿には感動させられました。ちなみに、クライドは今シーズンを最後の参加にするそうです。
見所満載のイベントでしたが、最終結果に直結するラウンド2からが最大の見せ場。まずは、ラウンド2ヒート1が終わると、シェーン・ドリアンが暫定トップに立ち、後のヒートに登場するサーファーにとって目安ができました。
続くラウンド2ヒート2では、ケリー・スレーターがミディアムサイズとは言え、ワイメアでバレルをメイクしてインサイドまで乗り継いだりと盛り上がりました。ちなみに、ケリーは故ブロック・リトルにバレルを捧げようと心に決め、本日のイベントに臨んだと言います。
そんなラウンド2ヒート2では、2000/2001年シーズン優勝者のロス・クラーク・ジョーンズ(49歳)がシェーンのトータルスコアを上回り、暫定トップの座を奪います。
ラウンド2ヒート2終了時点で、各ヒートで4本しか乗れないルールを考えれば、現実的にトップを奪う可能性があるのはジョンジョンのみ。しかし、ジョンジョンであっても、ハイスコアを二本揃える必要があり、厳しいと言わざるを得ないシチュエーション。
しかし、ジョンジョンはスターですね。80ポイント台を二本も揃え、ロスのトータルスコアを大いに上回ってトップに立ったのです。この時点で、ラウンド2ヒート4の結果を待たずして、ほぼジョンジョンの優勝は確定し、予想通りに優勝を果たしました。
ちなみに、日本人として唯一参加した脇田プロもハードなチャージをして、13位という結果を残しています。
今イベントのトップウェイブ動画
2015/2016年シーズン「Quiksilver in Memory of Eddie Aikau」のトップ10ランキング
今イベントの詳細については、下記リンク先の公式サイトからチェックして下さい。