メンズのワールドツアー最終戦の会場であり、世界中のサーファーからスペシャルなサーフスポットと考えられているオアフ島ノースショアのパイプライン。
トップサーファーがパイプラインで見せるバレルライドの様子からは、いかにも簡単そうに波に乗っていますが、波がブレイクするエリアの水深は非常に浅いため、一歩間違えば大怪我に至るリスキーなサーフスポットなのです。
実際、今シーズンはエヴァン・ガイゼルマン、オーウェン・ライト、ビード・ダービッジといったトップサーファーたちも、パイプラインで大怪我を負っていますし。
今回の記事は、ハワイ時間の3月3日(木曜)、再びパイプラインで発生した事故の内容についてお届けします。
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怪我を負ったのは、ニュージャージー州からやって来たボディボーダーのディラン・マクギン。バレルに入ったディランは潰されてしまい、頭からリーフに突っ込んだと言います。
幸運だったのは、ディランがチャージする様子を、ボディボードの6×ワールドチャンプでありライフガードのギリェルメ・タメガが、ディランがチャージするまでの一部始終を目撃していたのです。
目撃していた理由は、あまりにもディープなポジションから、ダブルアップする波にチャージしたため。案の定、バレルで潰されたディランですが、ボディボードは浮上してきたのに本人が海面に浮上してこない。
そこでギリェルメは救助に向かおうとするものの、セットが入ってきたので即座に行動を起こせませんでした。セットが一掃すると、カレントに流されているディランを発見し、すぐにディランのもとへと向かいます。
顔色が真っ青になっているディランのもとに辿り着いたギリェルメは、ディランの顔を水面から出すことで精一杯。そんな中、さらなる救助としてスポンジボード(英語:ソフトトップ)で遊んでいたジェイミー・オブライエンらが駆けつけ、スポンジボードにディランを乗せてビーチまで戻ることに。
ビーチに到着時、ディランの脈は打ってなかったと言います。しかし、ギリェルメ、ジェイミー、現場のライフガードなどの努力が実を結んで蘇生し、病院に搬送されました。
ギリェルメがディランを気に留めていなければ、おそらくディランは命を落としていただろうという今回の事故。エヴァンの時も話題になりましたが、同じラインナップにいるサーファー同士が互いを気に掛けることの重要性を再認識させられるニュースと言えますね。