徐々にではあるものの大きく変化を続けているウイメンズのコンテストシーン。
CT(チャンピオンシップツアー)会場を見れば、かつてはメンズとウイメンズで異なる会場のイベントが多数あったものの、今ではメンズのパイプラインとチョープー以外は全て同時開催。
CT会場以外では、2019年シーズンからWSLイベントにおいて男女賞金格差の解消というスポーツ界における大きな動きがありました。
今回の記事は、オアフ島ノースショアでのウイメンズイベントという動きの中、数少ないながらもパイプラインでチャージする女性サーファーを紹介します。
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ハワイにおけるビッグウェイブシーンでも目立つ男女平等の動き。
最初の一歩となったのは、BWT(ビッグウェイブツアー)イベントにてウイメンズイベントが追加された動きでしょう。
そしてマウイ島ジョーズにて、ウイメンズビッグウェイブイベントが初開催となったのは2016年のことでした。
その翌年、今度はオアフ島ノースショアのワイメアベイにて、エディイベント女性版と言えるビッグウェイブイベント「Red Bull Queen of the Bay」が発足。
ただし、同イベントは規定サイズ以上のビッグウェイブが入らなければ開催とはならず、これまで開催には至ってません。
このような流れを汲むと、WSL(ワールドサーフリーグ)のCTまたはQSイベントもオアフ島ノースショアでというのは、自然な動きなのかもしれません。
上記の動きにより、近い将来に女性版パイプマスターズの開催もあり得るかもしれないとの声もありますが、今年や来年に実現する可能性は低いように思えます。
というのも、これまでパイプラインはウイメンズのコンテスト会場ではなかったので、パイプでトレーニングをするサーファーがほぼいないためです。
そんな流れとは逆行するかのよう、特に今シーズンのパイプラインで注目されているウイメンズがいて、そのサーファーこそモアナ・ジョーンズ(Moana Jones)。
パイプでのチャージが評価されてか、最近になりボルコムがメインスポンサーに付いたようです。
そのモアナですが、ジェイミー・オブライエンに「若いサーファーガールでモアナのようなパイプチャージするサーファーは見たことがない」と言わしめるほどの逸材。
実際、今シーズンのWOTWに続々とエントリー作品をアップロードしています。混雑したパイプでしっかりと波を掴み、バレルをメイクしたという証ですね。
現在のウイメンズサーフシーンを取り巻く環境の変化、そしてモアナのような存在によりオアフ島ノースショアにおけるウイメンズのコンテストシーンが近い将来、変化することは間違いないでしょう。
ただし、すぐにパイプに対応できるようになるかと言えば、そこは難しいというのがモアナの見解。サーファー誌のインタビューでは以下のコメントをしています。
最近はパイプにパドルアウトしてくるガールズを見かけることがあるわ。私がチャージしてる姿を見てやって来てると思うけど。
でもね、彼女たちは分かってない。私はターキーズ、ロックパイルズ、ケイキショアブレイクとか色んな場所のクローズアウトで何年も練習してきたんだから。
私はいきなりパイプに入ってトライしているわけじゃない。数々の努力をした末にパイプに挑んだわ。その辺を理解してないと思うの。
決して簡単ではないけれど、モアナの存在があるということは決して無理ではないことの証明とも言えます。
ウイメンズサーファーによるパイプマスターズが実現するのかどうかは何とも言えませんが、フリーサーフィンであろうがパイプチャージという動きは強まる可能性が高いのでウイメンズサーファーの進化に注目です。