Photo: ISA/Ben Reed

現在、中米エルサルバドルで開催中となっている東京五輪最終選考イベントを兼ねるISAワールドサーフィンゲーム。

同イベントはすでにオリンピック出場権を得たサーファーも出場義務が課せられているので、普段はISAイベントで見ることのないCTサーファーも出場したりと豪華なイベントとなっています。

なのですが、ヒートには勝ち上がったもののすでにエルサルバドルを離れたCTサーファーが…。

今回の記事は、ISAワールドサーフィンゲームを去ったCTサーファーに関するニュースをお届けします。


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2019年のCTランクによってオリンピック出場権を得たサーファーも、怪我などの理由無くして2021年ISAワールドサーフィンゲームに出場しなければ東京五輪への出場権をはく奪されます。

この出場要件を設けたのは、サーフィンをオリンピック競技にしようとIOC(国際オリンピック委員会)に働きかけたISA(国際サーフィン連盟)です。

ISAによるサーフィンイベントは、優勝者は金メダルなどオリンピック的な形式を取っているものの、基本的にサーフィン界ではアマチュアイベントと見なされています。

サーフィンにおけるコンテスト界の最高峰となるCT(チャンピオンシップツアー)を運営するのはWSL(ワールドサーフリーグ)で、いわゆる分類としてはプロツアー。

WSLのCTサーファーになると他団体のイベント出場は原則禁止なので、ISAイベントにCTサーファーが出場することはありません。

Photo: ISA/Sean Evans

なのですが、オリンピックに関してはWSLとISAがタッグを組み、CTサーファーがオリンピック選考となるISAイベントに出場する義務が課せられました。

ISAサイドとしてはCTサーファーが出場することで注目されるなどの思惑があってのことでしょう。

ただ、すでにオリンピック出場権を得たCTサーファーとしては「ISAイベント出場は面倒くさい」と言うのが本音でしょう。

そのためか、スタブ誌によるとガブリエル・メディナ、カリッサ・ムーア、キャロリン・マークス、タティアナ・ウェストン・ウェブ、ブリッサ・ヘネシーはラウンド1のみ出場して、すでにエルサルバドルを発ったそうです。

実際に上記5名はラウンド2のトータルスコアが0ポイントと、ヒートに出場していません。

この件に関してUSAサーフィンのSNSには「なんで彼女たちはラウンド2に出場しなかったの?」との質問があり、USAサーフィンは以下の返答をしています。

彼女たちはエルサルバドル滞在を楽しみ、ラウンド1に出場したんだ。

ラウンド2に出場しなかったのは、オリンピック出場を目指すサーファーの夢を潰すようなリスクを冒したくなかったため。

それと2人はWSLのオーストラリアンレグ出場で3カ月もホームから離れていたから、家族と会いたいと切望していたし、東京五輪への準備も始めなきゃならない。

ISAはオリンピック選考のために素晴らしいイベントを開催してくれて、アメリカ代表の2人が棄権することに対して寛大にも理解を示してくれたんだ。

USAサーフィンが言及しているアメリカ代表はカリッサとキャロリンのことで、ガブリエルとタティアナはブラジル代表、ブリッサはコスタリカ代表。

なのですが、タティアナもブリッサも以前はずっとハワイアンサーファーとして活動していて、オリンピック関係で国籍表記を変えただけです。

つまり、USAサーフィンとの関係は深いので、イベントを棄権しても問題ないとの情報を知りえた可能性は高いと言えます。

さて、今回の件ですがガブリエル以外はアメリカ育ち(ハワイを含む)のサーファーなので、非常にアメリカらしいと感じてしまいました。

ラウンド1に出場したから出場義務を果たしたという屁理屈のような理論に感じますが、おそらく「出場義務」の定義がないから可能になったのだと思います。

日本で生まれ育った私としては違和感を感じてしまいますが、USAサーフィンへの質問者は返答を得た上で「その考えに100%リスペクト。棄権を認めてくれて良かったね」と返信。

生まれ育ったバックグランドによって物事の考え方などが異なるといった点では、非常に興味深いとも言えるニュースではないでしょうか。

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参照記事「Breaking: CT Surfers Are Pulling out of the ISA World Games

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