Photo: WSL / DAMIEN POULLENOT

これまでにも存在していた兄弟揃ってクオリファイを果たして、同時期にワールドツアーで活動を共にしてきた兄弟CTサーファー。

今季2022年シーズンは、ミゲル・プポ「Miguel Pupo」(30歳)とサミュエル・プポ「Samuel Pupo」(21歳)が兄弟CTサーファーとしてツアー参戦することになります。

CTの歴史において、プポ兄弟は実に7組目の兄弟サーファーとのこと。

今回の記事は、CTにおける兄弟サーファーの歴史を辿ったニュースをお届けします。


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サミュエルとミゲルの場合、年齢差が9歳と大きいのでミゲルが今なお活躍している点が、兄弟CTサーファーになる上で大きかったと言えます。

実際、ミゲルは2011~2018年までCTに残留していたものの、2018年シーズンはリクオリファイを逃してQS落ちしています。

そこで引退していたら兄弟でのCT入りは実現しなかったのですが、2019年にQSランクから返り咲きを決め、2021年シーズンはCTランクで残留を決めたので晴れて兄弟での参戦となりました。

ここからは、歴史の古い順に兄弟CTサーファーを振り返っていきます。

マイケル・ホー Photo: WSL / KELLY CESTARI

記念すべき1組目となったのは、マイケル・ホー(65歳)とデレク・ホーのホー兄弟で、マイケルはご存じの通り、メイソンとココの父親ですね。

ホー兄弟はどちらも素晴らしいコンテストキャリアを誇り、デレクはハワイアン初のワールドチャンピオンであり2度のパイプマスター。

マイケルは1982年に手首を骨折していながらも出場したパイプマスターズで優勝し、パイプマスターになっています。

デレクは残念ながら2020年に、62歳という年齢で他界しました。

ネコ・パダラッツ Photo: WSL

続いては、ブラジリアンのフラヴィオ・パダラッツ(50歳)とネコ・パダラッツ(45歳)というブラジリアンストーム以前の世代。

ちなみに、フラヴィオはブラジリアンとして初めてワールドツアーにクオリファイしたというパイオニアサーファーとのこと。

フラヴィオのキャリアは、CTランクトップ10入りが3回にQSイベントで2度の優勝がハイライトとなり、2003年にツアーを引退しています。

弟のネコは1997年にツアー入りして引退は2011年で、キャリアハイライトはフランスで2002年に開催されたクイックシルバープロでアンディ・アイアンズをファイナルで破っての優勝だそうです。

Photo: WSL / KIRSTIN SCHOLTZ

3組目となる兄弟は、シーア・ロペス(47歳)とコリー・ロペス(44歳)のロペス兄弟。

小波しか割れないと揶揄されるアメリカ東海岸のフロリダ出身ながら、ヘビーウォーターで強かった2人。

シーアは1995年にツアー入りしてルーキーイヤーでトップ16入りを果たし、1997年にツアー入りしたコリーは2001年にはCTランク3位をマークするほどの活躍を見せました。

個人的には、コリーはコンテストよりもフリーサーフィンのイメージが強く、当時の常識ではあり得ないほど短いメイヘムのRNF(ラウンドノーズフィッシュ)に乗り、ハワイで攻めたりしていたのは鮮烈に記憶に残っています。

CJホブグッド Photo: WSL / SEAN SCOTT

4組目は再びとなるフロリダ出身であり、兄弟ではあるものの双子と少しテイストの異なるCJホブグッド(42歳)とダミアン・ホブグッド(42歳)のホブグッド兄弟。

双子のCTサーファーという事で、サーフィン史においても極めてレアとなるユニークなケースではないでしょうか。

CJは1999年にツアーデビューを果たし、2001年にワールドチャンピオンに輝いています。

2001年は9月11日にアメリカの世界貿易センターがテロの被害を受け、世界的にさらなるテロが発生する恐れがあると9月11日以降のCTイベントがキャンセルとなった特殊なシーズンでもありました。

CJのCTイベント優勝数は引退した2015年までで6勝で、ダミアンは4勝。興味深いのが、この二人もロペス兄弟と同じくヘビーウォーターに強かったです。

ダミアンに関しては、BWT(ビッグウェイブツアー)イベントにも出場したほどでしたし。

Photo: WSL / SHAZAMM/ESPN

5組目は、兄弟CTサーファーとしては最も個性が強く、なおかつコンテストで成功したアンディ・アイアンズとブルース・アイアンズ(42歳)のアイアンズ兄弟。

年が近い兄弟サーファーであり、コンテストキャリアにおいてアンディは圧倒的にブルースに勝っていながら、ブルースに対してライバル心をむき出しにしていたのは強烈でした。

アンディは言うまでもなく3×ワールドチャンピオンで、CTイベントでは通算20勝をマーク。

ブルースはCTで5シーズン活動し、引退表明後のバリ島でのCTイベントでCTイベント初優勝を飾っています。

ブルースはその他に、ワイルドカード出場したパイプマスターズで優勝、エディイベントで優勝などといったキャリアを誇っていますね。

アンディは2010年にオピオイド系鎮痛剤の過剰摂取により、第一子の誕生までおよそ1か月前に32歳の若さで他界しています。

Photo: WSL / CAIT MIERS

ラストとなる6組目は、オーウェン・ライト(32歳)とマイキー・ライト(25歳)のライト兄弟。

ライト兄弟の場合、オーウェンとマイキーの間にはワールドチャンピオンとなったタイラーもいるのでさらにスペシャルではないでしょうか。

キャリアとしては、オーウェンは2010年からCTトップサーファーとして活躍し、パイプで負った脳の損傷から18カ月振りに復帰した2017年CTイベント初戦での復帰優勝は記憶に新しいですね。

一方、髪形などルックス的にヤンチャな面が見えるマイキーはQSランクからではなく、ワイルドカード出場によるCTランクでCT入りした珍しいケースのサーファー。

ただ、CT入り後は度重なる怪我に苦しめられ、2021年シーズンをもってコンテストから離れると宣言しています。

さて、これまで見てきた通り、兄弟CTサーファーはキャラが濃かったり実力派であったりと、話題に上がりやすい存在が多いように思えます。

プポ兄弟が2022年シーズンのCTと言う舞台において、どのような活躍を見せるのか楽しみにしたい所です。

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