
現地時間2025年9月2日(フィジー)、クラウドブレイクを会場とした1日限定で今季ワールドチャンプを決定するWSLファイナルが開催されました。
そして今シーズンのワールドチャンピオンに輝いたのは、ウイメンズはモリー・ピクラム、メンズはヤゴ・ドラと両者ともにレギュラーシーズンのランキングトップかつ初ワールドタイトル獲得と言う結果で今シーズンは幕を閉じることに。
今回の記事は、2025年WSLファイナルのイベントレポートやハイライト動画などと言ったニュースをお届けします。
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WSLファイナルのイベントレポート
波のサイズアップが予報よりも遅れたため、予定よりも遅れてスタートとなった本日。
早い時間帯はサイズが小さく、スウェルがはっきりサイズアップしたのはしばらくしてからでした。
ウイメンズ
出場するレギュラーシーズンのトップ5の中で、ランキングが下のサーファーから順に対戦していくトーナメント方式のWSLファイナル。
という事で、CTランク5位のサーファーでもワールドタイトル獲得のチャンスがあると言うわけです。
それはあんまりという事で、今年限りでWSLファイナルは最後となり、従来のランキング方式に来シーズンから回帰するのですが。
そんなラストイヤーに好調な活躍を見せたのが、CTランク4位で臨んだ2023年ワールドチャンピオンのキャロリン・マークス。
キャロリンはウイメンズサイドでは唯一のグーフィーフッターという事でフロントサイドだった強みもあったでしょう。
特に早い時間帯のヒートはサイズもそれほどなかったので。
運にも恵まれたキャロリンはあれよとあれよと勝ち上がり、マッチ1からマッチ3まで連続で勝ち上がるとタイトルマッチまでコマを進めることに。
まさに昨年のイタロ・フェレイラを彷彿させる大躍進でした。
そしてモリー・ピクラムとのタイトルマッチがスタートすると、まずはヒート1をキャロリンが先取することに。
正直言って、勢い的に今年のワールドタイトルはキャロリンが獲るだろうと感じるほどでした。
しかし、この辺りからサイズアップや風の影響が入ってかコンディションがワイルドになってくることに。
ワイルドコンディションになると強いのがモリーで、ヒート2ではクラウドブレイクに相応しいバレルをメイクして8.83をマークして勝利。
続くヒート3ではさらに勢いが増し、再びバレルで8.83をマークしたものの、ヒート2よりこちらのライディングの方がエンドセクションでのインバートになるスナップも追加と強烈でした。
その後はダメ押しと言える8.10をマークして完全勝利を果たすことに。
タイトルマッチでコンディションに変化がなければ、おそらくキャロリンが獲ったと思いますが、この辺りの運と言う要素も重要であり、最後の最後でモリーに運が振り向く劇的な結果だったと言えるでしょう。
ちなみに、モリーはCT入りする前からワールドチャンピオンに絶対になると言われていた存在だったので、多くのファンの期待に応えた結果となりました。
ワールドチャンプに輝いたモリーのコメントは以下の通り。
今は言葉にならないわ。
私のこれまでのキャリアとプライベートの両面で成しえてきた事の頂点だし、全てが好転した瞬間だと心から感じてる。
ワールドチャンピオンになるまでは素晴らしい道のりだったし、この経験は誰にも奪う事ができない。
最高なシーズンを終えた後のワールドタイトルはとてもスペシャルだし、生涯忘れられないわ。
誰もが認める疑いの余地のないチャンピオンになる事が私の夢だったから、その通りにタイトルを獲得できたことが胸に響くの。
まだ信じられないけど、大好きな事をする機会を得られたことに心から感謝しているわ。
たくさんの迷いはあったけど、それこそがチャンピオンを育てるんだって感じてる。
立ち上がって乗り越えて行かなきゃいけないから。
未知なるものを忠実に信じ続け、それが実を結ぶことになり感謝の気持ちでいっぱい。
ヒート1終了後は敗北を受け入れ、自分の信念を貫き全力を出してがむしゃらに勝利を目指しただけだったの。
ステフ、レイン、サリー、タイラーに憧れながらセントラルコーストで育った子供が、彼女たちと同じリストに名前を連ねることになるなんて名誉なことだし、本当に長い道のりだったわ。
これまでのサーフシーンには本当に素晴らしい女性サーファーがいっぱいいて、彼女たちが道を切り開いてくれたおかげで、今私たちは海で大好きなことができる環境にあると思ってる。
子供を育てるのに村が必要というセリフは真実で、セントラルコースト全体が私を支え、私のチーム、家族、仲間は私がどれだけ努力してきたのか理解してくれている。
そんなみんなの前で成し遂げることができたタイトル獲得は、本当に本当に格別のものだわ。
イベント結果
メンズ
本日のコンディションにおいてメンズで有利になると見られたのはイタロ・フェレイラで、フロントサイドでありエアーと言ったレパートリーが豊富なためです。
実際、マッチ1に出場したイタロは飛びまくったりとやりたい放題でジャックロボを破る結果に。
このままの勢いで、昨年のように突き進むのかと思いきや、マッチ2でグリフィン・コラピントがイタロにストップをかける結果となりました。
そしてマッチ3でグリフはジョーディと対戦することに。
CT2位でレギュラーシーズンを終えたジョーディにとって、ワールドタイトルを狙える絶好のチャンスという事で、ヒートではハイスコアをマークする見せ場を作りました。
でしたが、グリフのパワーサーフィンがトータルスコアでは勝り、タイトルマッチ出場権を獲得する結果に。
タイトルマッチはグリフとヤゴと言うマッチアップ。
ヤゴはエアリアルサーファーとして知られているものの、やはりハイパフォーマンスサーファーなのだなと再認識させられました。
フロントサイドにおけるレールゲームのドライブなど半端ではなく、エアゲームというコンディションでなくても十分にレールゲームで戦えるのですから。
そして叩き出したスコアはタイトルマッチのシングルハイエストとなる8.33。
ひたすらバレルと言うコンディションになれば、また結果が変わったかもしれませんが本日のコンディションではヤゴの強さが際立ちました。
そしてヤゴがヒート1を獲ったので、その時点で今季ワールドチャンピオンになることが決定。
ヤゴは10代でCT入りできる実力があったものの、もっとサーフィンが上手くなりたいとフリーサーファーになって実力を上げてから、CT入りしてきたサーファー。
つまり、CTサーファーという肩書に留まらず、必ずワールドタイトルを獲ろうと思って臨み、ついに頂点に上り詰めたのですから凄いの一言。
計算通りの人生を歩んでいるわけですから。
ワールドチャンプに輝いたヤゴのコメントは以下の通り。
たった1ヒートで1年の結果が決まるなんてクレイジーだね。
思い通りの結果になって良かったし、本当に嬉しくてハッピーだよ。
このようなシーズンを過ごす事ができて良かった。
一人でやり切るには大きな責任が伴ったけど、上手く成し遂げることができたから正しい決断だったと思ってる。
今年は強い意志を感じていて、今後もさらに成長していくんじゃないかって感じてるんだ。
本当に幸せだし、僕以前にワールドタイトルを獲得するブラジリアンサーファーたちを見て育ってきたから、そんな先人たちと同じリストに加わることができるのは名誉なことだね。
僕はフリーサーフィンサイドでキャリアをスタートさせたけど、コンテストこそ僕の真の原動力って感じてからはコンペティションに気持ちがシフトしたんだ。
今年はかなり自信を持てて、ヒート戦略がすべてがしっくりいって、結果を出すために常にベストなサーフィンをする必要がないって境地に達したんだ。
時に大差より僅差でヒートを勝ち上がる方が難しいことがあって、今年はその感覚が掴めた気がする。
素晴らしいヒートもあれば苦戦したヒートもあったけど、全てが全体的に上手くまとまめることができて幸せだよ。
ここまでたどり着くことができ、あのパフォーマンスで締めくくれたことはスペシャルだったね。
今日のグリフィンは調子が良くて危険だったから、対戦は緊張したし、シードと言うメリットを生かして1ヒートで終える事が出来て良かった。
本当に今日のグリフィンは絶好調だったから。
ファーストヒートからグリフィンは完璧で、去年の優勝と言いクラウドブレイクでの強さも知ってて、今日も調子が良かった。
だから、僕は自分のサーフィンを信じ、良い波を掴めれば勝てるだろうって考えて臨み、実行できたから本当にハッピーなんだ。
イベント結果
2025年WSLファイナルハイライト動画
2025年CTランキング
ウイメンズ
メンズ
まとめ
来年2026年シーズンからはコロナ前のシステムに戻ったり、ウイメンズCTサーファーの数が増えたりと新たな変化が訪れるシーズンとなります。
シーズンスタートは2026年4月1日からで、初戦の舞台はオーストラリアのベルズビーチとなります。
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公式サイト「WSL」