フランスのビアリッツ Photo: French Surfing Federation
フランスのビアリッツ Photo: French Surfing Federation

2020年東京五輪にて、オリンピック競技として開催することが決定しているサーフィン。しかし、少し複雑となっているのが組織。

サーフィンをオリンピック競技にと働きかけを行っていたのはIOC(国際オリンピック委員会)承認団体であるISA(国際サーフィン連盟)ですが、コンテストサーフィン最高峰であるワールドツアーを運営しているのはWSL(ワールドサーフリーグ)。

今回の記事は、ISAとWSLが手を組み、来年2017年5月にISAによるワールドサーフィンゲーム(World Surfing Games)の開催が発表されたので内容についてお届けします。


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ISAとWSLの違い

どちらもサーフコンテストを運営する団体なのでコンテストサーファーが主体となりますが、少し毛色が異なります。

WSLによるWCT(ワールドチャンピオンシップツアー)またはCT(チャンピオンシップツアー)は、コンテストサーフィンの最高峰であるワールドツアーを意味し、年に一人のワールドチャンピオンが決まる完全個人競技。

一方のISAによるイベントは、ワールドツアー入りを目指すWQSサーファーの参加が多いイベントで、個人競技ではあるものの国別ランキングを決定したりと団体競技的要素も含まれています。

WSLが運営するプロサーフィンツアーの「WCT」と「WQS」について

ISAイベントにWCTサーファー出場が異例な理由とは

ワールドツアーを運営するWSLは、基本的にワールドツアー入りの資格を得たWCTサーファーが他団体のイベントに出場することを禁じています。ショートボード部門のみではなく、BWT(ビッグウェイブツアー)サーファーも同様ですね。

レッドブル主催ビッグウェイブイベントにアルビー・レイヤー欠場!理由は過去のケリーと同じく…

つまり、これまでWCTサーファーはISAイベントに出場することはできなかったわけです。WCTサーファーのタイトなスケジュールを考えると、出場したいと思うかどうかは別ですが…。

このような背景もあり、ISAイベントはワールドツアーサーファーが出場しないことから、アマチュアイベント的な位置付けと見なされています。それが来年のISAイベントでは、WCTサーファーの出場をWSLが許可したのです。

WCTサーファーの誰が出場するのだろうか

現段階において、東京五輪でのサーフィンに関するオリンピック選考基準は発表されていないし、決まってもいないと思います。分かっていることは、IOC承認団体のISA主導、WSLがWCTサーファーの出場を認めている点のみ。

ISAイベントのオープン部門で金メダル(優勝)獲得となるサーファーは大半がWQSサーファーで、WQSがワールドツアーであるWCT(トップリーグ)の二次リーグであることから、オリンピックに出場するサーファーの多くは現在の若手WCTサーファーになるのではないでしょうか。

となれば、来年開催のISAイベントに出場するWCTサーファーは、オリンピック出場を望むサーファーがメインになると思われます。オリンピック出場を望むブラジリアンサーファーは多いですし、11×ワールドチャンピオンのケリー・スレーターもオリンピックに出場できれば光栄と公言しているので、面白いイベントになるかもしれません。

ISAイベントの詳細

イベント開催地は、フランスのビアリッツ。ウェイティングピリオドは2017年5月21~28日の設定。当然、ワールドツアーイベントと日程が被らないように調整がされています。

ちなみに、来年2017年のワールドツアーイベントのスケジュールは、11月中旬に発表予定となっています。

まとめ

2020年のオリンピックに向けて、コンテストサーフィン団体のISAとWSLが手を組んで動き出したという今回のニュース。サーフィンがオリンピック競技になったことはすでに発表されていたのですが、現実のものになると再認識させられるニュースではないでしょうか。

サーフィンの東京五輪に関する過去記事は、下記リンク先から参照して見て下さい。

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