近年、大きく様変わりしたサーフムービーの世界。テイラー・スティール監督の全盛期には、1~2年などの長期に及ぶ撮影期間を経て、最新サーフムービーが発売されるのが常でした。
そのため、リアルタイムとは程遠いライディングが収録されていたことになります。しかし、最近ではリアルタイムに近いショートクリップがネットでは無料で提供されています。
もう一つの大きな変化は、時間を掛けて製作したフルレングス(長編)のサーフムービーであっても、無料ダウンロードとなる作品が登場した点。代表的な作品で言えば、2011年にリリースされたウイメンズをフィーチャーした作品「Leave a Message」、それに昨年リリースされたジョシュ・カーのシグネチャームービー第二弾「KERRZY」が挙げられます。
過去にはサーフムービーの販売を収益源にしていましたが、メジャースポーツではないサーフィン。当然、購買層はかなり限定されます。そのため、個人的な見解となりますが、誰でも見れる無料ダウンロードにする事で、サーフィンに興味を持ってくれる人を増やすため、サーフムービーをマーケティングのツールに転換させたのかと思います。
ここ数年でサーフィン界でも台頭しているレッドブルの手法ですね。マーケティングに総売上の1/3をも費やすほど力を入れているレッドブルもまた、良質の無料動画コンテンツを充実させているので。
このように大きな変革が起こったサーフムービ界ですが、昔を懐かしむ人もいます。その一人が、サーフィンフォトグラファーのライアン・モス。ライアンによると、2005年にリリースされたテイラー監督作品「キャンペーン2(Campaign 2)」を最後に、サーフムービーは変わったと言います。
今回の動画は、ライアンがこれまでに撮影してきたお気に入りのライディング映像をまとめ、かつてのサーフムービー風に編集したトリビュート映像となります。
コンテスト、フリーサーフィン、ビッグウェイブサーフィンといった垣根を取り払い、ショートボードサーフィンのベスト映像が詰まった内容となっています。そんな動画に付けられたタイトルは「This is Surfing」。「これぞサーフィン」というストレートなネーミングですね。
使用されている音源は、キャンペーン2のブルース・アイアンズのパートで使用されていたマリリン・マンソン(Marilyn Manson)の曲「mOBSCENE」となっています。
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