先日発表された2016年度のWCTスケジュール。イベント会場に関して、今年2015年度と変化はなかったものの、シャークアタックが発生したJベイ(南アフリカ)でのイベントが含まれていたことで話題となりました。
Jベイ(南アフリカ)のWSLサーフイベント決勝でシャークアタック発生:ミック・ファニング
実はJベイ以外の会場に関しても、物議を醸している会場があります。それは、水質問題に揺れるブラジルのリオデジャネイロ。今回の記事は、リオの水質汚染がどれほど深刻であるのかお伝えします。
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リオでのWCTイベントにおいて、これまで最も非難の声が挙がっていたのは、波のクオリティの低さ。ワールドクラスのサーフスポットでイベントを開催するはずのワールドツアーには、あまりに相応しくないというものでした。
しかし、最近では水質汚染の問題について取り沙汰されています。今年のリオでのWCTイベント前には、会場であるバーハ・ダ・チジュカ(Barra da Tijuca)の水質が、数週間に渡り安全基準を下回っていたのです。
では、ここまで水質が悪くなる原因は?リオで海の水質がひどい原因は、下水にあります。下水の53%が適切な処理を行わずに垂れ流され、川やラグーンを通じて、海へと流れ着いているのです。
上記の写真を見るとはっきり分かりますが、左側が通常の海の色で、右側が汚染水が混じった海水です。視覚的にここまで色が異なることが分かるほどとは強烈ですね。
リオと言えば、来年2016年にはオリンピックが開催されます。もちろん、海を舞台とした競技もあるのです。この汚染水のエリアを会場とする競技はセーリング。
そこで、オリンピックのセーリング開催時までには海がクリーンアップされているのかについて、Daily Mail誌が2015年3月に記事を掲載していますが、リオ市長によると「努力はしているが、間に合わないだろう」とコメントしています。
また、豪スタブ誌によると、今年のリオでのWCTイベント後には、多くのサーファーが体調不良を訴えていたとの情報もあるので、安全面を考えると、リオでの開催は再考すべきかもしれません。
水質問題は、下水といったインフラ事業を整備する余裕のない発展途上国であればどの国にも共通する問題。そこで、まずは母国ブラジルの水質問題への意識を高めようと、ビッグウェイブサーファーのカルロス・ブールが啓発運動の動画製作に参加したということなので、動画を紹介して今回の記事を終わります。