今シーズンはかつてないほどのスランプに苦しんでいる11×ワールドチャンピオンのケリー・スレーター「Kelly Slater」(44歳)。シーズン一発目に出場したパイプラインでのWQSイベント「ボルコムプロ」では、実に二年振りのコンテスト優勝を果たし、幸先よく見えました。
しかし、WCTイベントがスタートするとスランプに陥ることに。マーガレットリバーでの第三戦までのWCTイベント結果は、1ヒートしか勝ち上がっていないという状況。
44歳という年齢もあり、「もう歳だし、アスリートとしてのピークも過ぎたから引退でしょ」と囁かれていますが、実際に身近でケリーを見ている人たちの率直な意見はどうなのか!?
今回の記事は、WSL(ワールドサーフリーグ)コメンテーターのピーター・メル、現役プロサーファーのセバスチャン”シーバス”ジーツとジョーディ・スミスから見たケリー・スレーターの現状をお伝えします。
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ケリー・スレーターに寄せられる過度な期待
あまりにも常人とはかけ離れた偉業を達成しているので、良くも悪くも注目されるケリー。昨シーズンなんかもダメだと言われていたものの、WCTランク9位とトップ10入りしています。
通常のWCTサーファーならトップ10入りは賞賛されるのに、ケリーの場合はタイトル争いに絡めないと期待外れとの声が上がる現状。つまり、それだけ未だに期待されている証ですね。
グロムの頃からケリーを見てきたピーター・メルの見解
ケリーより2学年年上のピーター・メルは、「ケリーが12歳の時、当時年齢が倍ほどのサーファーを破っていたんだ。その頃からずっとサーフィン界の神だね。それだけに、今のケリーを見ているのは辛いよ」とコメント。
ただ、度重なるコンテスト敗退が、誰もが口にする44歳という年齢が理由かと言えば、それは違うと断言します。「コンテストジャージを脱いだ時のケリーを見るべき。ゴールドコーストでケリーのフリーサーフィンを見てきたけど、ケリーのサーフィンは一切衰えてないし」。
「サーフボードが理由って人もいるけど、Dバーでのサーフィンを見た限り、エアーもターンもビビるほどのレベルなんだから。コンテストで勝てない理由は、サーフィン以外にあるはず」。
シーバスの見解
今シーズンのWCTイベントにリプレイスメント出場しているシーバスは、ケリーがスランプの原因はジャッジ基準にあると見ています。
「今のジャッジ基準は、(パフォーマンスよりも)サイズとか、乗った波自体を重視している感じがするけど、ケリーはあまり良くない波にも手を出してパフォーマンスで勝負するタイプ。良いセット狙いにすれば勝てるようになるんじゃないかな」。
もう一点、シーバスが口にしたのは「ケリーはチャネルアイランズのボードに乗ってた時の方が、断然調子が良かったような気がする。それも、一因かもしれないね」とのこと。
ジョーディ・スミスの見解
ジョーディによるケリーがコンテストでスランプの原因は、ケリーの年齢とは関係ないと言います。「問題は海。誰でもそうだけど、波運が無ければ、厳しい戦いになるのは当然だし」。
「ケリーはポーカーフェイスだから分からないけど、ビジネスやプライベートに今は気持ちが奪われてるかもしれない。でも、コンテスト熱は消えてないから、このまま終わるタイプじゃないでしょ」と分析しています。
まとめ
最も身近でケリーのフリーサーフィンを見ている上記3人ともに、アスリートとして年齢的に落ち目ではないのかという意見を払拭しています。つまり、サーフィンのレベル自体はトップレベルであることに間違いないのでしょう。
ちなみに、ケリーの過去のWCTキャリアを見ると、9×ワールドチャンピオンであった当時37歳の2009年シーズン、ツアー初戦から第三戦まで、すべてのイベントで2コケという今回にも似たような最悪なスタートを切っています。
当時もまた、歳だから引退したほうが良いと言われたことは想像に難くないですね。そのシーズンは後に優勝を含めてた好成績を残して、年間ランクは6位。そして、翌年となる2010年と2011年でワールドタイトルを獲得しているのです。
ジョーディのセリフではないですけど、ケリーはこのままワールドツアー落ちして引退するタイプには見えません。果たして、サーフィンの神にどのような運命が待ち受けているのか目が離せませんね。
参照記事:「The Kelly Slater Question」
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