スチュアート・ケネディ Photo: WSL
スチュアート・ケネディ Photo: WSL

WCT(ワールドチャンピオンシップツアー)において、ワールドチャンピオン以外で注目が集まるのが、日本語では「新人王」と呼ばれる「Rookie of the Year」。

対象サーファーは初めてワールドツアー入りを果たしたツアールーキーであり、ツアールーキーの中で最も最終ランキングが高かったサーファーに与えられます。しかし、今季のツアールーキーではなかったスチュアート・ケネディに獲得のチャンスが。

今回の記事は、スチュアート・ケネディに新人王のチャンスが巡ってきた経緯と、現在までのルーキーレースについてお伝えします。


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欠場者が相次いだ今季ワールドツアー

非常に異例な展開となってきた今シーズンのワールドツアー。その理由は、例年以上にWCTサーファーのイベント欠場数が目立つためです。

まず、昨年末にハワイで負傷したため、今シーズン開催前に前半戦の全イベント欠場を発表したオーウェン・ライトとビード・ダービッジ。

オーウェン・ライト&ビード・ダービッジが2016年WCT初戦欠場を発表

後にオーウェンは、後半戦も全イベント欠場を発表。ビードはハワイで開催されるトリプルクラウンでの復帰を発表しています。

2016年シーズンWCT後半戦の全イベント欠場をオーウェン・ライトが発表

骨盤骨折でワールドツアーを離脱していたビード・ダービッジがコンテスト復帰の時期を発表

また、ミック・ファニングは今シーズンはスポット参戦にすると発表。先日終了したローワーズでのハーレープロを最後とし、すでにホリデーに入っているのでミックの枠も空いています。

ミック・ファニングが2016年WCTイベントはフル参戦しないと発表

最後はタジ・バロウによるツアー途中の引退。タジは形式的にはマーガレットリバーでのイベントで引退し、ワイルドカード出場したフィジーイベントを引退イベントとしました。

タジ・バロウがフィジーイベントを最後にワールドツアー引退を発表

インジュリー・リプレイスメントとは

WCTでは、突然の怪我などが原因で欠場したサーファーの穴を埋めるため、インジュリー・リプレイスメント(injury replacement)サーファーが数名選ばれています。

対象者は、前年のWCTとWQSにおいて、後一歩のランキングでツアー入りの資格を逃したサーファー。同サーファーにもランク付けがなされ、昨年のWCTで23位となったアダム・メリングが一番手、WQSで12位となったスチュアート・ケネディが二番手といった感じです。

WSLが運営するプロサーフィンツアーの「WCT」と「WQS」について

タジ引退後のインジュリー・リプレイスメント

タジの引退が発表されたことで、1枠空くこととなった今季ワールドツアー。そこで、インジュリーの一番手であるアダムが引き継ぎ、WCTのスポットを獲得しました。

また、オーウェンの全イベント欠場が発表されたことで、インジュリー二番手のスチュアートもWCTスポットを獲得し、今シーズンの全イベント出場が決まったのです。

こういった経緯から、ワールドツアー経験のなかったスチュアートは、ツアー入りしていなかったにも関わらずツアーサーファーとなり、新人王レースにも参加することになったのです。

ツアールーキーの現ランキング

当初のツアールーキーは7名でしたが、スチュアートが加わることで8名となった現在。果たしてランキングはどのようになっているのでしょうか。

17位:カイオ・イベリ
19位:スチュアート・ケネディ
21位:五十嵐カノア
25位:コナー・コフィン
27位:デイヴィー・キャッスルズ
28位:ジャック・フリーストーン
30位:アレックス・リベイロ
36位:ライアン・カリナン

なんとスチュアートは、新人王レースで現在は2位を走っています(笑)。ちなみに、最終ランクでトップ22に残れば、来シーズンのワールドツアーのスポット確保となります。

昨年はツアー入りを逃したものの、ツアールーキーとして新人王争いをしたり、ツアー残留の可能性があったりと面白いことになりましたね。

ちなみに、スチュアートと同じくインジュリー・リプレイスメントのセバスチャン”シーバス”ジーツもまた、現在まで全てのツアーイベントに出場していて、現在のツアーランクは16位。来季のツアー残留に必要なポイントをほぼ獲得しています(笑)。

まとめ

おそらくスチュアート本人が、こんなシーズンになるとは全く想像もしていなかったでしょうね。運命のいたずらとも言えますが、チャンスを掴み、チャンスをものにしたのはスチュアート。

なんとかトップ22入りして、ツアー残留して欲しいなと願っています。新人王は五十嵐カノアに獲得してもらいたいんですけどね。

参照記事:「Stu Kennedy Is Building a Strong Case for Rookie of the Year

スチュアート・ケネディの過去記事は、下記リンク先からチェックして下さい。

気になるサイファイ(スレーターデザインズ)でスチュアート・ケネディがフリーサーフ

厳しいプロサーファーの世界!クイックプロで脚光を浴びたスチュアート・ケネディの道のり

カレンやケリーも気に入る盟友トモのボードで来年はツアー入り!?:スチュアート・ケネディ

見分けられますか?サーフスタイルがそっくりなミック・ファニングとスチュアート・ケネディ

2014年8月に撮影されたスチュアート・ケネディのフリーサーフ映像

ダニエル・トムソンによる奇抜ボードでフリーサーフするスチュアート・ケネディ

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