Photo: Urbnsurf

現時点において、ウェールズ(イギリス)のサーフ・スノードニアと米テキサス州オースティンのNランドのウェイブプールで使用されている造波装置のウェイブガーデン。

ウェイブガーデンを使用してのウェイブプールは今後、オーストラリアのメルボルン、シドニー、パースでも誕生予定となっています。

ただ、2015年12月にケリー・スレーターのウェイブプールが公開されてから、波質に関してはウェイブガーデンが劣っている印象が目立ってしまいましたね。

今回の記事は、ケリーのウェイブプールに負けじとウェイブガーデンが開発した新バージョンとなる造波装置「The Cove(ザ・コーヴ)」、そしてオーストラリアでは同装置を使って2020年東京五輪のトレーニングに活用するという内容についてお届けします。


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モダンウェイブプールの先駆者として、世界的に利用するウェイブプールが今後も増え続けるであろうウェイブガーデンによる造波装置。ただ、人工波自体は波のサイズやパワーの点において、ケリーのウェイブプールに劣っているのは明らかでした。

今後オーストラリアで建設されるウェイブプールも、スノードニアやNランドと同様の人工波であると考えられていましたが、オーストラリアで使用されるのは「ザ・コーヴ」と呼ばれる最新版ウェイブガーデンとのこと。

このザ・コーヴですが、実はウェイブガーデンの本社があるスペインにデモ施設がすでに存在します。

昨年10月には、オーストラリアのサーフコーチを務めるアンディ・キングが、ジュリアン・ウィルソン、ライアン・カリナン、ジョシュ・カーといったワールドツアーサーファーを引き連れてテスト済み。

テスト結果としては、東京五輪におけるオーストラリアのサーフチームのトレーニングに使用したいと考えるほどの出来だったと言います。

アンディによると「(ウェイブガーデンは)実際の海のパワー、予測不能な海の波に近い人工波を作り出すことに成功したんだ」とのこと。

これまでのウェイブガーデンは、波のサイズが小さく、波質がソフトであまりパワーがないと言われていたので、弱点を補うことに成功したと言えます。

実際の波のサイズは最大で2.1メートル、ライディング時間の平均は18秒。1時間で発生可能な波数は1,029本とのこと。施設自体は、記事冒頭の写真のように野球場に似た形状だそうです。

「これなら4日間トレーニングすれば、海でのトレーニングの3~4ヶ月分に匹敵するよ。しかも、人工波特有の同一の波ではないんだから、サーファーがロボットみたいになることもないし」とアンディは評価。

ウェイブガーデンの逆襲といった感じで、何だか凄まじい造波装置が出来てしまったようですね。しかも、ザ・コーヴを使ったウェイブプールが完成するのも、それほど先の話ではありません。

予定通りであれば、今年2017年後半にはオーストラリアのメルボルンで完成。もちろん商業施設なので、一般サーファーもお金を払えばいつでも利用可能です。

実際にどのような人工波を発生させられるのか気になりますし、オーストラリアのウェイブプールを活用したオリンピックへの取り組みからも目が離せません。

参照記事:「Olympic surfers to get a home break with artificial waves

*今後建設されるオーストラリアのウェイブプールに関する過去記事は、下記リンク先からチェックして下さい。

メルボルンにオーストラリア初のウェイブプール!2017年後半にオープン予定

メルボルンに続いてシドニーでもウェイブプール!アーバンサーフが2018年オープン予定

オーストラリアで三つ目のウェイブプール「アーバンサーフ」!パースで建設予定と発表

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