現地時間2019年11月29日(台湾)、台東で開催されていたワールドジュニアチャンピオンシップが終了。
同チャンピオンシップのウイメンズ部門にて、都筑有夢路(Amuro Tsuzuki)が今年のQS10,000イベント優勝に続き、再びの快挙達成となる日本人初のワールドジュニアチャンピオンに輝きました。
今回の記事は、優勝した都筑有夢路のインタビュー内容、ワールドジュニアチャンピオンシップ、日本人初の意味などに関するニュースをお届けします。
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ワールドジュニアチャンピオン
文字通り、ジュニア世代のワールドチャンピオンを決めるワールドジュニアチャンピオンシップ。
過去にジュニアチャンピオンとなったサーファーの多くは、CT(チャンピオンシップツアー)入りしたり、ワールドチャンピオンになったりと、とても大きな意味を持つ称号です。
ジュニアチャンピオンからワールドチャンピオンへと登り詰めたサーファーは以下の通り。
*ジョエル・パーキンソン
*アドリアーノ・デ・スーザ
*ガブリエル・メディナ
ジュニアチャンピオンからCTサーファーになったサーファーは以下となります(上記ワールドチャンピオンを除く)。
*ペドロ・ヘンリケ
*ケコア・バカルソ
*ジョーディ・スミス
*カイ・バーガー
*ジャック・フリーストーン
*カイ・バーガー
*カイオ・イベリ
*イーサン・ユーイング
ウイメンズ
*ジェシー・マイリー・ダイアー
*サリー・フィッツギボンズ
*ポーリン・アド
*ニッキ・ヴァン・ダイク
*ローラ・エネヴァー
*メイシー・キャラハン
*イザベラ・ニコルス
上記を見てもらえば分かる通り、錚々たるメンバーが獲得しているタイトルであるワールドジュニアチャンピオン。
アメリカのNSSAイベント同様、未来のトップサーファーがジュニア時代に通過するべく登竜門とも言えますね。
メンズ部門
メンズでジュニアチャンピオンに輝いたのはブラジリアンのルーカス・ヴィセンテ。昨年のマテウス・ハーディに続き、ジュニアタイトルの座は2年連続でブラジリアンが獲得です。
ケイド・マトソンを相手にしたファイナルでのルーカスは、一時、コンビネーションに追い込まれるほどリードされたものの、8.63をマークしてコンボから抜け出すと、終了間際にエアリバースをメイクして劇的な逆転劇を演じての優勝となりました。
ずっと夢に思い描いていたんだ。夢を実現できたなんて、まだ実感が湧かないよ。ファイナルを含め、全てのヒートがハードだった。
ファイナルで2本のビッグスコアが必要になった時でも、諦めなければ何とかなるって示すことができたんじゃないかな。
去年のマテウスに続いてジュニアタイトルをブラジルに持ち帰れることは最高だね。マテウスとは子供の頃からの親友だから、「オレがナンバー1だよ」なんてジョークでも飛ばそうかな。
ウイメンズ部門
ウイメンズのワールドジュニアチャンピオンとなったのは、前述している通り、日本の都筑有夢路。
QS10,000イベントに続き、再びの大金星ということで世界のコンテストシーンにおいて大きく存在感をアピールしたと言える優勝です。
これ以上ないくらいハッピーな気持ち。あまりに大きすぎるタイトルだし。難しいコンディションのヒートも多かったけど、台湾でのサーフィンを楽しめたし最高のイベントだったわ。
今日(イベント最終日)も波のサイズがあってチャレンジングだったけど、決して諦めない気持ちで集中してヒートに臨んだからこそ、最終的に結果に結びついたと思ってる。本当に幸せ。
以前にお伝えした通り、都筑は2020年CT入りの可能性があります。
当然、日本人女性として初のCT入りとなるのかどうかは世界的にも注目されていて、以下のコメントを残しています。
来年のCT入りについては、私自身がどうにかできるものじゃないから、マウイプロの結果を待つのみ。
どんな結末を迎えようとも、今年のコンテスト結果には満足してるわ。
ちなみに、上記リンク先の過去記事にて、都筑はウイメンズQSの最終戦で準優勝以上の結果を残せば、自力でのCT入りが可能と言及しました。
そして、現時点におけるQS最終戦のシードリストを見ると、オルタネイトに名前が入っているので、マウイプロの結果でCT入りを逃し、さらにはQS最終戦で出場枠を確保できれば出場する予定なのかと思われます。
表題について、私が2019年ウイメンズQS最終戦と思っていたチリでのQS1,500イベントですが、業界関係者にも確認したところ、2019年開催ではあるものの、2020年のQSスケジュールに区分されるそうです。
WSLサイトでは2019年スケジュールにチリQSイベントが並んでいて、シードリストには都筑の名前もあったのですが、私が流した情報が間違っていました。
誤った情報を流してしまい申し訳ありませんでした。
日本人初のワールドジュニアチャンピオン
今回の都筑の優勝に関して、同チャンピオンシップを運営するWSLは「日本人サーファー初となるワールドジュニアチャンピオン誕生で、都筑は歴史的偉業を達成」と報じています。
なのですが、少し複雑なのがサーフィンがオリンピック競技となってから増えた国籍変更の動向。
オリンピック選考を兼ねて開催された今年9月のISAイベントに日本代表として出場した前田マヒナは、実は2014年にワールドジュニアチャンピオンに輝いています。
ただし、当時はハワイ代表としての出場であったという経緯があり、今は日本代表として活動しているものの除外されているようです。
似たようなケースとしては五十嵐カノアがアメリカ代表から日本代表への変更が挙げられ、カノアはアメリカ代表でCT入りし、日本代表に変更。
日本へと国籍表記を変更した時に、日本人初のCTサーファー誕生となりました。
2重国籍に加え、国によっては3重国籍のプロサーファーもいるので、「初」という言葉の意味合いも多様性に応じて複雑になってきてると言えます。
まとめ
今年は大舞台で結果を残し、彗星のごとくスターダムに駆け上がってきた都筑有夢路。
おそらく日本人ウイメンズサーファーとして、世界的に一番有名な存在になったと言って間違いないでしょう。
来年はCTサーファーとなってドリームツアーに参加することになるのか目が離せません。
*ワールドジュニアチャンピオンシップ最終日フル動画
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公式サイト「WSL」