歴史と共に、シェイパーの手によって進化を遂げるハイパフォーマンスボード。1980年に現代サーフボードのベースとなるスラスターをサイモン・アンダーソンが生み出して以来、劇的な変化は少なく、マイナーチェンジされてきただけとの声もあります。

しかし、2008年のパイプマスターズで、8フィートのコンディションの中、ケリー・スレーターが従来では考えられないディープ6と呼ばれる5'11"の短いボードで優勝した事で、ミニボードが主流になりました。

ただ、ミニボードと言っても、従来のボードを基に洗練させたデザイン。これは至極当然のことだと思います。これまでのボードもまた、試行錯誤の末に改良され、良質なものへと変貌を遂げてきました。

さらなる進化を遂げるには、プラスアルファを加えていくのがベストだという考えが基本にあるのですから。しかし、従来の考えを取っ払ってしまったのが、プロサーファーでありシェイパーであるトモ(Tomo)ことダニエル・トムソン。

トモは、従来のボードをベースにするのではなく、流体力学の理論を取り入れ、どうすればベストなパフォーマンスボードを作れるのか考えました。その結果として生まれたのがヴァンガードという奇抜なデザイン。

ウエイクボードのような見た目で、おおよそサーフボードっぽくありません。トモいわく、機能性だけを考えると、このアウトラインや長さでオッケーとの事で、実際にトム・カレンのお気に入りの一本となり、コンテストでも使用し、デーン・レイノルズを破ったりと機能性はお墨付きと言えます。

果たして、このデザインが今後の主流になるのかどうかは定かではありませんが、実際に動画を見てチェックしてください。性能的には全く問題ないように思えます。


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