パイプマスターズのラウンド4で発生したガブリエル・メディナによる意図的なドロップイン(前乗り)。
確実にヒートを勝ち上がるため、敢えて反則行為を犯したという衝撃的な行動であり賛否両論となっています。
インターフェアという行為の賛否はさておき、あの行為がWSL(ワールドサーフリーグ)のルールに違反している可能性があると海外サーフメディアが続々と報じることに。
今回の記事は、ガブリエル・メディナが抵触した恐れのあるWSLルールに関するニュースをお届けします。
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今回の件の概要としては、ラウンド4のヒート終了間際、プライオリティを持っていたのはガブリエルの対戦相手であったカイオ・イベリ。
カイオは最後の逆転を目指してセットに乗ろうとしたものの、ガブリエルがブロックしようとわざとドロップインをしました。
インターフェアの罰はセカンドベストウェイブがノーカウントになるものの、それでもガブリエルのシングルスコアがカイオのトータルスコアを勝っていたため、カイオによる逆転の可能性を潰すための戦略だったのです。
実際の映像は以下となります。
上記投稿内でWSLは「サーフィン史において最も賢い戦略の一つであっただろう」とのバートン・リンチのコメントも引用しています。
WSLの投稿はガブリエルの行為を称賛するような内容となっているものの、実はWSLのルールブックにはスポーツマンシップに反したインターフェアを犯した場合の罰則があったのです。
そのルールが以下の通り。
上記条項について簡単に説明すると、まずはインターフェアの経緯を3つの項目でチェック。
1. intentional(意図的)
2. unsportsmanlike(スポーツマンシップに反した行為)
3. of a serious nature(程度のレベル)
1に関しては勝利者インタビューで悪びれることなく「play the game」と口にしていたので、意図的であったと自ら認めています。
2に関しても「スポーツマンシップ」という観点においてはアウトでしょう。
問題となるのが3。3は少し日本語にするのが難しく漠然とした感じになってしまうのですが、ここではインターフェアが危険であったのかがポイントになっていると思います。
パイプラインという場所を考えると危険と言えますが、カイオはガブリエルも乗る様子をしっかりと見ていたので危険ではなかったとも言えます。
さて、上記3点に該当した場合は、該当ヒートは再戦となるか、もしくはインターフェアを犯したサーファーはシーズン中のベストイベント結果がノーカウントになります。
ガブリエルにペナルティが課せられるとすれば、ガブリエルはCTサーファーなのでCTイベントのベストリザルトとなる優勝による10,000ポイントがノーカウントになります。
ガブリエルの2019年CTポイントから10,000ポイントを削除するとトータルは46,475ポイント。すると、フィリペのポイントを下回ることになります。
もしも今回のルールに抵触となれば、ブラジル枠のオリンピック代表権はガブリエルからフィリペへと移行するという大事に繋がってしまうのです。
ほぼ全ての海外サーフメディアが取り上げている問題であり、ここまでくるとWSLは何も答えを出さずにスルーすることはできないと思います。
ガブリエルを称賛するようなSNS投稿を行ったことから、ペナルティを下す可能性は低いと思いますが、ルール違反ではないのなら、どのような理由を示してくるのか注目です。