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Photo: WSL / STEVE SHERMAN

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために社会的距離を保ちながら、トッププロサーファーがファンの質問に答えるというインタビュー動画。

これまでに登場したトッププロは、ジョンジョン・フローレンス、ジョーディ・スミス、アルビー・レイヤー、カリッサ・ムーア、カイ・レニー、コロヘ・アンディーノでしたね。

同企画にて、11×ワールドチャンピオンのケリー・スレーター「Kelly Slater」(48歳)が出演。

今回の動画は、ケリー・スレーターがどんな質問にも答える「AMA(Ask-Me-Anything)」インタビュー映像をお届けします。


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通常であればまずは動画からとスタートしていますが、実はケリー、サーファー誌が動画で返答してもらうよう依頼したそうですが、なぜか文書で回答してきたとか。

ということで、ケリーだけは動画はなしでのQ&Aとなります。

Q:初めて手に入れたサーフボードはどうしたの?

A:父親が売ったんだ。お金を払って取り戻したけど。ボトムにジョーズのエアブラシが施された5'2のスラスターだったね。ココアビーチ(フロリダ州のケリーのホームブレイク)のサリックブラザーズがシェイプしたボードで。

Q:数々獲得したワールドタイトルの中で最も意義深い年は?

A:1998年かな。それまで5年連続でワールドタイトルを獲得していたんだけど1998年は最終戦のパイプマスターズの時点ではタイトル獲得はかなり厳しい状況だった。でも、ロス・ウィリアムスがダニー・ウィルスを破ってくれ、僕はロブ(マチャド)とパーフェクトウェイブで最高なヒートをこなし、最終的にタイトル獲得に至ったんだ。

Q:もしも誰かが映画でケリー役をするなら、どの役者に演じてもらいたい。

A:難しいね。ホアキン・フェニックスならどんな役を演じることもできるから、ホアキンに任せてみようかな。

Q:好きなサーファー(年代を問わず)と6人ヒートするなら、誰と対戦したい?

A:精確かつ安定したスキルを持っていた80年のMR(マーク・リチャーズ)。スピード、スタイル、パワーのバランスが完璧で誰も寄せ付けないように思えるレベルだった86年のカレン(トム・カレン)。Jベイで開催されたカントリー・フィーリング・クラシックに出場して世界トップのバックサイドアタックを見せた17歳の時のオッキー。圧倒的なスキルと波を乗りこなそうとする強い気持ちを持っていた3~5年ほど前のジョーズ(マウイ島)でのシェーン・ドリアン。ここ5年ほどのジョンジョン(フローレンス)。7人ヒートになっちゃうけどもう一人いて、パイプでのバトンズ(モンゴメリー・カルヒオカラニ)。

Q:好きなサーフムービーは?

A:「The Performers」。サーファーベース(テイラー・スティール監督作でお馴染みのサーファーをセクション毎にフィーチャーするスタイル)としては初のサーフムービーで、サウンドトラックが最高だった(曲の大半を選んだのは、数年後にケリーにとって母親/姉のような存在となったジャニス・レイモンド)。親友のアレックス・コックスと一緒に作品を見ては、翌日にセバスチャンインレットで出演者気分になってサーフしてたよ。作品の内容的には、リチャード・クラムのレールゲームが凄かったね。

Q:サーフィン以外の仕事をしていたとすれば、何を選んでいたと思う?

A:分からないな。ミュージシャン、ゴルファー、もしくは医療関係かな。

Q:昔のファーストピーク(フロリダで一番と呼ばれたサーフスポットで、スポット真横の桟橋を再建したことで消滅)を懐かしく思うことはある?

A:当然。僕の理論としては、ビーチに大量の砂が溜まり過ぎて、アウトの地形が浅くなり過ぎたことが原因だと思ってる。桟橋にも少し調整を加えたけど、結局はビーチが長く伸びてボトムがシャローになったことで、サーフスポットとしてはダメになったんだろうね。ローカルにとってはトレーニンググランドで、多くのベストサーファーを輩出したサーフスポットだった。現存しないことは、僕らのカルチャーにとっては大きな痛手だね。

Q:これまでCTイベント会場になっていない場所で、会場にした方が良いサーフスポットは?

A:レイキーピーク(インドネシアのスンバワ島)かスープボウル(バルバドス)。

Q:これまでに経験した一番怖かったフライトは?

A:ワールドアマチュアチャンプ(ISAワールドサーフィンゲーム)のために1990年に宮崎に着陸する時。台風が発生していて、すごい風が強かったんだ。機体直下にカメラを搭載していて、着陸する時のライブ映像を見ることができたんだけど、前輪が出てすぐにライブ映像が消えたから、不時着したのかと思ったよ。

Q:今までで忘れられないマジックボードは?

A:次に出来上がるボード(笑)。常にマジックボードを探しているよ。でも、忘れられないのは2003年か2005年に所有したサイモン・アンダーソンのボードだろうね。ローワーズ、Jベイ、ベルズで優勝して、チョープーもあのボードに乗ってたかな。サイモンに返却したのか覚えてなくて、1~2年ほどガレージを探したりもしたけど見つからないんだけど、どうしたんだっけ?

Q:「Tiger King(Netflixのドキュメンタリー作品)」は見た?もし見たなら感想は?

A:まだ見始めたばかり。

Q:自分自身を誇りに思えることは何?

A:クレイジーな方向へ転落しなかったこと。特に70~80年代に育った時代背景を考えると、ドラッグやアルコールに溺れてもおかしくなかったから。

Q:サーフィン上達で最も参考になったアドバイスは?

A:10歳の時、初めてお願いしたサーフコーチに「チューブ内で目を開けているか?」って聞かれたんだ。僕は「ノー」って答えたら「開けておけ!」って言われた。あのアドバイスは。おまじないのようによく効いたな。

Q:映画「Surf's Up」に参加して良かったことは?

A:ポール・マッカートニーから娘のお気に入り作品なんだって言われて、僕とロブ(マチャド)の作中のキャラクターまで知ってくれてたこと。

Q:思い出すだけで笑いが止まらなくなるような面白い思い出は?

A:1989年頃なんだけど、トッド・クラインとマット・ケチェリーがある日ビーチで死んだナマズ目を見つけて、サーフボードを使ってキャッチボールみたいにパスする様子を見てたんだ。スタートはマットで、トッドがマットへパスして返したらマットのボードショーツを突き破ってお尻に突き刺さった。引き抜こうとしたけど、ナマズ目はトゲの部分にかえしが付いてるから抜けなくて。結局、マットは病院に行ってトゲを取り除き、消毒してもらったんだ。病院代の支払いはトッドにさせてたよ(笑)。

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参照記事「Kelly Slater Talks Magic Boards, First Peak and Which Two Waves Should be on Tour

トッププロへのインタビュー過去記事