
サーフィンにおいて究極のライディングと称される事もある「バレル(チューブ)ライディング」。
バレルコンディションを当てられること自体が少ないですし、数少ないチャンスでメイクできる可能性となれば一般サーファーにとっては極めて希少なためですね。
ただ、バレルライドは華やかな代わりにリスキーであり、バレルを形成するセクションは基本的に水深が浅いので、海底のリーフにヒットして大怪我に至るケースもあるので、その点も究極と言えます。
だからこそ重要なのが、メイク不可能と察知した時のワイプアウトの正しい方法。
今回の動画は、ビッグウェイブサーファーのマット・ブロムリー「Matt Bromley」(34歳)が教えてくれるバレルライドでのワイプアウト方法のハウツー映像をお届けします。
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真っ先に守るべき箇所は頭部!ボトムへの頭部のリーフヒットを避ける対策
バレルチャージする際の最大の危険は、波のエネルギーと水深の浅さ。
水深わずか1フィート(約30cm)の場所で、頭から海底のリーフなどに激突するリスクを常に考慮する必要があります。
そこで重要になるのがワイプアウトの体勢で、頭から水中に向かってダイブする行為は厳禁です。
波のトップからボードを飛び降りる際は、頭からではなく足から着水する「ピンドロップ」を心がけるように。
パイプラインなどビッグバレルスポットの動画ではお馴染みの体勢ですね。
足からの着水は、浅瀬でも足で衝撃を受け止められる上、深く潜り込み波の裏側へ抜けられる可能性が高くなるためです。
サーフボードと体のヒットを防ぐ怪我防止テクニック
サーフボードは波に乗る上で欠かせないアイテムですが、ワイプアウト時には一転して危険な凶器に変わります。
ボードが頭や顔に当たり、深刻な怪我を負うケースは少なくありません。
そのため、ワイプアウトする時には意識的にボードから距離を取ることが重要。
転倒の瞬間、ボードから少し離れた位置にジャンプするように意識しましょう。
バレル内でワイプアウトする時は、フォームボール(スープ)を利用するのも手。
バレル内でワイプアウトすると悟ったら、フォームボールがボードを吸い込む力を利用します。
フォームボールがボードに到達した瞬間に、ボードから前方に飛び出して水面に対して横向きにフラットに着水。
これにより、ボードとの衝突を避け、頭から海底へ突っ込むことを防げます。
水中で身を守る正しい体勢とメンタルコントロール
波に揉まれている間、体の体勢を意識することで、脱臼や関節の怪我を防ぐことができます。
激しく波に巻かれている最中は、手足を身体に引きつけコンパクトな体勢を保ちます。
こうする事で、波の力で手足が無理な方向に引っ張られ、肩や膝を負傷するのを防ぎます。
特に浅い場所では、足首の骨折を防ぐために足を曲げておくのが効果的です。
波の力が弱まってきたら、ヒトデのように手足を広げるような体勢に切り替えます。
表面積を増す事で水中で帆の役割を果たし、深く沈むのを防ぎ水面への浮上を助けます。
また、ホールドダウン(水中で巻かれている時間)は長くてもせいぜい10〜15秒程度。
水中でパニックになりそうになったら、秒数をカウントすることで気持ちを落ち着かせ、酸素の消費を抑えましょう。
まとめ
バレルにチャージして波に巻かれる瞬間をイメージすると、正直言って上記全てのことを一度に実行することは現実的ではありません。
なのですが、とても理にかなった内容となっていて、どの対策も重要なので少しずつ取り入れていき、いずれ自然と全てを実行できるようになればベストではないでしょうか。
僕はボトムがサンドのビーチで頭部から海底にヒットし、それでも歯が欠けたのと同時に強烈な首のむち打ちになった苦い記憶があります…。
みなさんも、何があろうと頭部をとにかく保護することだけはお忘れなく。