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Photo: WSL

コンテストサーファーにおいてコーチングの重要性が認知されるようになって、およそ10年ほどの月日が経ちます。

初代ワールドチャンピオンのピーター・タウネンドなど数々の名コーチがいますが、現在のCT(チャンピオンシップツアー)におけるキーマンと言えるコーチはグレン”マイクロ”ホールとジェイク”スネーク”パターソン。

特にスネークは、コロナバリで優勝した五十嵐カノアとステファニー・ギルモアのコーチを務めているので注目度の高いコーチ。

今回の記事は、五十嵐カノア、ステファニー・ギルモア、カノアとジェレミー・フローレスのコロナバリ決勝などに関してスネークが答えたインタビュー記事の内容をお届けします。


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西オーストラリア出身で元CTサーファーのスネークこと、ジェイク・パターソン。スネークはもともと、CT入りを目指すクイックシルバーライダーのコーチでした。

ですが、自ら育てたサーファーが順調にCT入りし、その後もコーチングを続けたり、評判の良さからグリフィン・コラピントなどクイックシルバーライダー以外のコーチも請け負っています。

そんなスネークから見て、コロナバリで優勝したステフやカノアはどのような存在なのか!?

ステフへのコーチング

Photo: WSL

ステフみたいにすでに成功しているサーファーの場合、コーチングはとても難しいね。サーフィンのスキルは十分過ぎるから、基本的な部分を伝えるだけ。

どうすれば楽にヒートを勝ち上がれるのかに着目して。そこで、会場によって全力でサーフするのか、少し力を抜いていくのかコーチとして見極めているんだ。

例えばクラマスでは、少し抑え気味で行くようにアドバイスした。基本的にステフが敗退する時は、ワイプアウトもしくは波に乗れないケースだけ。

クラマスの場合、コンスタントにセットが入るわけじゃないから、チャンスを逃したら厳しい展開になるんだから。

ステフは波を乗り切りさえすればスコアを出せるからこそのアドバイスだね。でも、会場がブラジルになればセットに乗れるチャンスがいくらでもあるから、全力で行くように伝えるよ。

カノアのコーチング

Photo: WSL

カノアのコーチを務めるようになって6年ほど経つけど、カノアには驚かされているよ。

もともと才能があるのは分かっていたから、その点についてはさほど驚かされたわけじゃないんだけど、ビッグウェイブのスキルには脱帽。

パイプマスターズで結果を残しているし、チョープーでもチャージするし、ハワイでの調子の良さも然り。

カノアのコーチを始めた頃に「ワールドツアーにクオリファイできるって信じる事が出来れば、いつでもクオリファイできるよ」って伝えて、カノアが「I'm ready」って口にしてからあっという間だったね。

カノアとジェレミーのクラマスCT決勝

コロナバリの決勝に関しては、ジャッジのスコアリングで少し物議を醸していました。話題となったのはカノアとジェレミーによるターンのみのライディング。

バライエティ豊かなライディングを見せたカノアの9.10ポイントは2:00~、パワーサーフィンのジェレミーの8.93ポイントは4:13~。

ではCTサーファーのコーチを務めるスネークの見解は。

正直言って、ジェレミーのスコアの方が勝ると思ってたんだよね。僕がオールドスクールだから、パワーサーフィン好きってのもあると思うんだけど。

個人的見解としては、カノアが9ポイントちょうどくらいで、ジェレミーは9.33くらいだと思ってた。ただ、こんな事はしょっちゅうあるんだ。

カノアはレパートリー豊かなライディングでジャッジ基準に適っているから、あくまでも個人的見解なんだけどね。

全てのイベントでスコアについてぶつくさ言ってて、コーチがスコアを予想できないなんておかしな話なんだけど。

まとめ

何とも率直な意見を述べているスネーク。コーチであってもジャッジとは異なる判断を下すと言うのは非常に興味深い話です。

ジャッジにしても、好みのサーフスタイルや好きなサーファーなどで、多少なりともスコアに差が出る事はあるはずなので、複数名のジャッジによる平均スコアを採用しているのですね。

現在のCTサーファーは大半がメディア対応の教育を受けているはずなので、正直言って勝利者インタビューは定型文を語っている印象を拭えません。

そのため、スネークが語った今回の本音トークなんかは非常に興味深いと言えます。

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参照記事「"I Actually Thought Jeremy’s Wave Was A Little Bit Higher"