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五十嵐カノアの優勝で幕を閉じたカリフォルニアのハンティントンビーチを舞台にしたUSオープン

同イベントでは、ブラジルでのCTイベントに続き、フィリペ・トレドとカノアのヒートで、再びフィリペがインターフェアを犯した件が物議を醸しています。

今回の記事は、ブレット”シンポ”シンプソンがフィリペのインターフェアに関し、WSLのジャッジルールに苦言を呈した内容をお届けします。


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シンポはカノアと同じくハンティントンローカルの元CTサーファーで、USオープンの2×チャンピオン。つまり、カノアにとっては大先輩といったところで、ハンティントンビーチの波を知り尽くしています。

そのシンポによるフィリペのインターフェアに対する見解は以下の通り。

サーファーとして、目標としていることは波を最大限乗り切るために、できるだけディープなポジションから波に乗る事。ハンティングの波を良く分かってる僕から言わせれば、レフト(カノアが乗った波)は厚くなって消える波だった。

フィリペのライトが唯一ライド可能な波だったね。実際、二人は衝突したにも関わらず、フィリペは7ポイント台をマークしたんだし。

もちろん、(ピーク優先の)ルールは理解してるけど納得いかないな。ルールブックなんて1970年代に作られた時代遅れなものなんだし、ピークに関係なくライトとレフトのどっちが良い波でスコアが出せるか見てれば分かるから。

別にカノアが悪いって言ってるわけじゃないんだ。カノアはスマートなコンペティターだし、僕の友達だから。でも、あの波でカノアがインサイドでビッグエアーをメイクしたとしても、せいぜい5ポイント台だったと思う。

今のカノアは世界トップレベルのコンテストサーファーと戦う世界にいるから、フィリペを破る唯一の手段は、インターフェアを取ることだったのかもしれない。

個人的な見解として、カノアはインターフェアを狙いにいったと思います。シンポが口にしているように真っ向勝負では分が悪く、ヒートスタート直後のみはプライオリティがないピーク優先ルールなので。

実際、フィリペはペナルティを取られたにも関わらずスコア差は僅差だったので、あのコンディションでフィリペとまともな勝負に出たら厳しかったのは明白です。

ただ、戦略についてはとても賢いと思います。現状のルールに沿った上でのことなので、ルールを熟知していることを意味しますし。

一方のフィリペですが、こちらはインターフェアを取られる恐れがあると分かっていながら行ったのではないでしょうか。

野生的なスタイルのフィリペですが、我が道を進みながらも、ジャッジ受けするマニューバへと進化していることから、相当研究していると思います。

そのフィリペが、分かりやすい形で再びインターフェアを犯した事から確信犯だと思います。もしかしたら、インターフェアのルールに一石を投じたい思いがあったのかもしれません。

今回のシンポのように苦言を呈するサーファーが出てきたという事で、大きな波紋を広げていることは確かですし。

ただ、コンテストルールは一般サーファーにも通じることがあるので、ピーク優先のルールを変更するのはどうかな!?という思いがあります。

もしもスコアポテンシャル優先となれば(一般サーファーにスコアはありませんが…)、今以上にラインナップの雰囲気は殺伐とする可能性が高いためです。

例えば上級者サーファーが初心者サーファーに対し、「こっちの方がスコアポテンシャル高いんだよ」とピーク優先ルールを守った初心者サーファーが締め出されることもあり得ますし…。

こういった事情も踏まえ、コンテストでのヒート開始直後のノンプライオリティは排除し、パドルバトルでプライオリティを決めたり、ヒート前にジャンケンやあみだくじでも何でも良いのですが、プライオリティを決める方が平和な感じがします。

みなさんはどうお感じですか!?最後にインターフェアの動画をチェックして見て下さい。

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参照記事:「SIMPO: “CHANGE THAT FUCKING 1970 RULEBOOK!”

ブラジルCTイベントでのインターフェア