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Photo: WSL

現地時間2019年10月11日(フランス)、メンズCT(チャンピオンシップツアー)イベント第9戦とウイメンズCTイベント第8戦が終了。

イベント名はメンズが「Quiksilver Pro France(クイックシルバー・プロ・フランス)」、ウイメンズが「Roxy Pro France(ロキシー・プロ・フランス)」。

今イベントを制することになったのは、メンズがジェレミー・フローレス、ウイメンズがカリッサ・ムーアという結果となりました。

今回の記事は、フランスCTイベントのイベントレポート、動画、最新CTランキングといったニュースをお届けします。


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クイックシルバープロ@フランス

ラウンド4からスタートながらもイベント最終日となった本日。ファイナリストは今日だけで4ヒートもこなすことになるので、意外な展開でした。

ラウンド4は、ガブリエル・メディナが敗退するという大番狂わせが発生。対戦相手は、ガブリエルと同じくグーフィーフッターのエイドリアン・バッカン。

両者ともに2本のバレルをメイクしたものの、エースがメイクした1本目のバレルが最もジャッジの評価が高く、僅差でガブリエルは敗退。

ガブリエルのヒート前にすでにジョーディ・スミスも敗退していたし、ラウンド3ではフィリペ・トレドも敗退しているので、タイトルレースはまだまだ先の読めない展開となりそうです。

ラウンド4では興味深いヒートも。それはコロヘ・アンディーノとヤゴ・ドラのヒート7。

ヒート終盤、コロヘがリードしていたものの、ヤゴが逆転に必要なスコアは4.33と、どう転んでもおかしくないシチュエーション。

プライオリティを持っていたコロヘはヤゴをマークし、セットが入りコロヘが乗るようなしぐさを見せたためにヤゴはスルー。

このやり取りでヤゴはプライオリティが自分に移ったと思い、次の波を掴むものの、なぜかコロヘもテイクオフ。

ヤゴはプライオリティが移ったと思っていたものの、実際にはコロヘは先ほどの波に乗ろうとする動作をしていないとジャッジが判断し、プライオリティはコロヘがキープしていたのです。

そのため、ヤゴはインターフェアを取られることに。この辺は微妙な所ですが、コロヘが駆け引き的に優れていたとも言えます。

クオーターファイナルへと進むと、注目となったのは優勝すればタイトルレースに再浮上できるコロヘとイタロ・フェレイラの直接対決。

二人の対決は、パワーターンのイタロに対してコロヘはターンに加えてバレルやエアリアルもメイク。

サーフィンは対戦相手との比較採点となり、ここまでバリエーションが異なると基準が良く分からなくなるのですが、イタロがセミファイナル進出を果たすことに。

クオーターファイナルでは面白いことに、ヨーロピアン勢が3名も勝ち残っていて、そのメンバーはフランスのジェレミー・フローレスとマーク・ラコマレ、そしてイタリアのレオナルド・フィオラヴァンティ。

残念ながら、ワイルドカード出場のマークはクオーターファイナルでジャック・フリーストーンに敗退となりました。

セミファイナルでは、ローカルであるジェレミーが炸裂。ヘビーバレルを得意とするジェレミーにとってはショアブレイクバレルもお手の物で、セミファイナルでスコアした9.00のバレルライドは別格。

個人的にはもっとスコアが出ても良いと思うほどテクニカルかつディープなバレルだったと思います。

ジェレミー・フローレスの9.00

面白かったのはレオとイタロによるヒート2。野生児のようなイタロの身体能力が高すぎて「その体勢から着地したらワイプアウトするでしょ!?」と思われるようなシチュエーションだろうが何でもメイク。

CTサーファーであってもイタロは対戦したくない相手でしょうね。普通のCTサーファーでも狙わないようなセクションを、メイク可能なセクションにしてしまうのですから。

クリーンなサーフィンをしてきたレオは、残念ながらワイルドなイタロを前に敗退したものの、ツアー復帰でセミファイナル進出という素晴らしい結果を残しました。

ローカルスターのジェレミー、そしてワールドタイトルレースを掛けたイタロと面白いマッチアップとなったファイナル。

ジェレミーはファーストウェイブで9.67をマークし、正直ここで勝負が決まったと言えたでしょう。40分ヒートで開始数分後のことだったので。

ジェレミーはその後もバレルをメイクし、バックアップスコアとして5.33をマーク。イタロが逆転するならば、ビッグエアーをメイクするのが王道だと思われましたが、ランディングでのワイプアウトが続くことに。

結果的にローカルのジェレミー優勝という最高の結末をもってイベントは幕を閉じました。

ヒート結果

ロキシープロ@フランス

セミファイナルからスタートした本日のウイメンズ。最も注目されたヒートは、現CTランク1位のカリッサ・ムーアとCTランク2位のレイキー・ピーターソンによる直接対決。

注目の対決はショアブレイクバレルではなくターン勝負となり、厳しい波選びの中で6ポイント台を1本スコアしたカリッサが、トータルスコア9.83と低いながらも勝ち上がることに。

セミファイナルのヒート2では、これまで好調だったジョアンとキャロリン・マークスの対決となり、ジョアンはショアブレイクバレルを狙うもメイクできず、キャロリンは堅実にターンでミディアムスコアを2本揃えての勝利。

カリッサとキャロリンという組み合わせとなってファイナルでは、ターン勝負のキャロリンに対してカリッサはバレル勝負。

カリッサとしては、ターン勝負だとキャロリンはジャッジ受けが非常に良いので、バレルを狙ったのかなという印象を受けました。

そして、フロントサイドとバックサイドの両方で確実にバレルをメイクし、キャロリンを寄せ付けない強さでカリッサが優勝。

カリッサがベテランと若手による経験とスキルの差を見せつけたと言えるヒート展開ではなかったでしょうか。

ヒート結果

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メンズ


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相変わらずガブリエルがリードしている状況には変わりませんが、もしもガブリエルがポルトガルで早期敗退となればまだ分かりません。

ただ、CTランク2位のフィリペは後背部の痛みがあり、CTランク3位のジョーディは4,500ポイント近く離されているので、ガブリエル有利と言えます。

ウイメンズ


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レイキーをセミファイナルで破り優勝を果たしたのは、まさにカリッサにとっては理想通りの展開だったと言えます。

この結果により、ポルトガルで4度目のワールドタイトル獲得もあり得るのではないでしょうか。すでに追う立場のレイキーとは7,000ポイント強の差がありますからね。

まとめ

次なるCTイベントはポルトガルへと舞台を移し、ヨーロピアンレグ2戦目となる「MEO Rip Curl Pro Portugal」。

ウェイティングピリオドの設定は10月16~28日の設定となっています。

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公式サイト(メンズ)「Quiksilver Pro France

公式サイト(ウイメンズ)「Roxy Pro France

2019年フランスCTイベントの過去記事