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Photo: WSL / MATT DUNBAR

東京五輪後の夏季オリンピックとなる2024年パリ五輪。

パリ五輪においても、サーフィンがオリンピック競技として開催されることはまだ正式承認されていないものの、ほぼ確定という状況となっています。

そして今度は開催場所について、パリ五輪の大会組織委員会が現地時間の12月12日に発表しました。

今回の記事は、2024年パリ五輪の会場としてタヒチのチョープーが選ばれたということで、WSL(ワールドサーフリーグ)のプレスリリースや個人的な見解をお届けします。


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WSLの反応

オリンピックのホスト都市であるパリから1.5万キロ以上離れたチョープーを、大会組織委員会がサーフィン会場に選んだという今回のニュース。

サーフィンのワールドツアーであるCT(チャンピオンシップツアー)を運営するWSLのソフィー・ゴールドシュミットCEOは、以下の声明を発表しています。

パリ五輪の大会組織委員会が、長年に渡りCTイベントを開催しているタヒチのチョープーをオリンピック会場に選び、WSLとしては嬉しく思っています。

オリンピックは新たな視聴者にサーフィンを見てもらえたり、サーファーが国の代表として出場したりと素晴らしいプラットフォームです。

そのような舞台において、WSLにとってアイコニックなロケーションであるタヒチが選ばれた事についてエキサイティングしています。

我々WSLは、オリンピックでのサーフィン開催が成功するよう、ISAやIOCと密接に連携していくことを楽しみにしています。

今回の発表ですが、チョープーが会場となる点については2020年初旬にIOCにより承認されることで、正式決定になるとのことです。

オリンピックのチョープー開催は現実的か?

ウイメンズ開催について

チョープーはCTイベント会場となっているものの、現在はあくまでもメンズのみ開催であり、ウイメンズのCTイベントは開催されていません。

その理由としては、チョープーはスラブ(slab:底ボレするバレル)であり、スラブと言うことは水深は極めて浅くて危険極まりないためです(ヘルメットを着用するサーファーもいるほど)。

もう一つ、ウイメンズの開催が難しい理由としては、チョープーでまともに波に乗れるウイメンズサーファーの数はごくわずかなので、コンテストとして成立しないと思われるためです。

メンズとウイメンズのCTイベントは大半が同時開催となっていますが、チョープーとパイプライン(ハワイのオアフ島)のイベントだけはメンズのみとなっています。

その理由は前述の通り危険であり、チョープーとパイプラインの波に乗れるウイメンズサーファーが少ないためでしょう。

過去にパイプラインでウイメンズのスペシャルヒートが開催されたこともありますが、トップサーファーであってもパドルしても波に追いつけずに乗れなかったりと相当厳しかったです。

オリンピックともなれば、多くの国のサーファーを出場させるので、トップサーファー以外のウイメンズサーファーも出場することを考えると、チョープーを会場に選んだ理由が不思議でなりません。

オリンピック会場として

サーフィンはサーフスポットによって様々なタイプの波が存在し、サーファーによっては得意とする波は異なります。

そこで、CTではタイプの異なる波がブレイクする世界中の会場でツアーイベントを行い、総合力でワールドチャンピオンを決めます。

ですが、オリンピックは一発勝負。金メダリストになれば、おそらく世界で最も有名なサーファーになるほど大きな意味があります。

そんな大舞台の会場となるのが、レフトのスラブがブレイクするチョープーという極めて特殊なサーフスポットであることに違和感を感じずにはいられません。

オリンピック選考は一般的なビーチブレイクで開催され、本戦はビッグバレル対決と言うのはあまりにも両極端ですし…。

まとめ

インパクトだけを考えたらチョープーは凄まじいパワーを持っているのですが、諸々の状況を考えると、なぜ今回のような結論に至ったのか不思議でなりません。

個人的にはウェイブプール開催で、ターン、エアリアル、バレルの総合力でメダル争いをするのが最も平等のように思えるのですがどうでしょうか!?

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参照記事「WSL Statement on Paris 2024 and Teahupo'o

パリ五輪の過去記事