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Photo: WSL / DAMIEN POULLENOT

ウイメンズのコンテストシーンになかなか浸透することのないエアリアル。

コンテストシーンにおいてウイメンズサーファーがエアリアルをメイクしてからすでに10年以上の月日を経たものの、未だにメンズのように一般的なマニューバとはなっていません。

だからこそ、その可能性に賭けエアリアルのトレーニングに励んでいるのがサリー・フィッツギボンズ「Sally Fitzgibbons」(29歳)。

今回の動画は、サリー・フィッツギボンズによるエアリアル映像、そしてウイメンズコンテストシーンにおけるエアリアルの歴史をお届けします。


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ウイメンズサーファーによるコンテストでのエアリアルの歴史を振り返ってみると、アマチュア部門とプロ部門の2つに分けられます。

アマチュア部門では、アメリカのアマチュアサーフコンテスト最大規模のNSSAにて、ウイメンズで初めてエアリアルをメイクしたのがレイキー・ピーターソン。

レイキーが14歳であった2009年のことで、エアリアルを武器にしたレイキーがその年の優勝を果たしました。

ちなみに、アメリカにおいてNSSAはワールドツアーへの登竜門といった感じで、多くのCTサーファーが過去の優勝者として名前を連ねています。

プロ部門になると、エアリアルの先駆者はブラジリアンのシルヴァナ・リマ。

シルヴァナはアクロバットなマニューバを武器に、2008年と2009年にCTランク2位となっています。

このような背景から、ウイメンズのコンテストシーンでも2010年代はエアリアルがメンズ同様、必須のマニューバになると考えられ、トレーニングに励むウイメンズサーファーが増えました。

でしたが、一般化されることはありませんでした。考えられる理由は2つあります。

1つ目は、エアリアルのメイク率が低いため、時間の限られたコンテストではリスクでしかないため。

2つ目は、ウイメンズの世界ではエアリアルに力を入れずとも、ターンが全ての世界であるため。

ターンが全てと言うのは、ワールドツアー自体が波が良い会場で行われるという事情もあります。

でしたが、東京五輪はおそらくワールドツアー会場に劣る波での開催が予想され、その会場でエアリアルをメイクできれば明らかに有利。

おそらく上記の考えがあり、サリーが現在エアリアルの練習に励んでいるのだと思います。

練習の成果はすでに形として現れ、オーストラリアで開催されたWSLカウントダウンではエアリバースをメイクしています。

サリーと言えば、これまでにCTランク2位に3度もなっているものの、ワールドタイトル獲得に至っていない無冠の女王。

エアリアルという武器に手に入れれば、間違いなくウイメンズの世界では大きな一歩を踏み出すことになるので、2021年シーズンの活躍が楽しみなサーファーと言えます。

サリー・フィッツギボンズの過去記事